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国内ドラマ『silent』音がない世界でも…

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 今回は国内ドラマ『silent』を紹介します!


[基本情報]

 脚本:生方美久

 音楽:得田真裕

 主題歌:Official髭男dism『Subtitle』

 手話監修・指導:さとり、中嶋元美

 ろう者考証:東京都聴覚障害者連盟

 中途失聴考証:認定NPO法人東京都中途失聴・難聴者協会

 医療監修・感染症指導:堀エリカ

 医療監修:上村徳郎

 演出:風間大樹、高野舞、品田俊介

 プロデュース:村瀬健

 制作プロデュース:唯野友歩

 撮影:片村文人

 制作協力:AOI Pro.

 制作著作:フジテレビ


[登場人物]

青葉紬:川口春奈

 本作品の主人公。タワーレコードでバイトをしている。東京で弟・光と二人で暮らしている。

 よく食べる、そして瞳が大きい!

佐倉想:目黒蓮(Snow Man)

 青羽の高校の同級生で交際をしていた。途中失聴者になり、高校の仲間から縁を切っていたが、偶然再会してしまう。

 常に哀愁漂う表情をしているように見える。

戸川湊斗:鈴鹿央士

 青羽の高校の同級生で、佐倉と同じサッカー部。今は青羽と交際している。

 とにかくいい人。本当に青羽のことを好きなんだなぁと感じる。

桃野奈々:夏帆

 佐倉の友人。生まれながら聞こえないろう者。

 表情が豊かで、感情がよく伝わってきたのが印象的。

春尾正輝:風間俊介

 桃野と大学の頃に出会う。今は手話教室の先生をしている。

 どこかいつも思いを閉ざしている感じがあった。


[内容]

 青羽は最寄駅で昔交際していた佐倉を見かけた。勘違いかもとは思いながら、戸川にそのことを話すと、戸川は佐倉と連絡を取ってみる。返事がなく、実家に行ってみると、佐倉がろう者になった事を知る。

 青羽も偶然駅前で佐倉と会い、話しかけるのだが、佐倉から反応はない。青羽に気づいた佐倉は慌てて逃げていく。しかし青羽ひ諦めず佐倉と話そうとすると、佐倉が手話を使うのだった…

[感想]

 青羽と佐倉の再会を描く作品。

<佐倉から見た世界を想像してみる>

・高校の頃の思い出

 作品中、高校の頃の場面と大人になった現在とが描写される。

 高校の頃は声が出ていた、音があった、ということを描いているのだろうなと思う。その場面と、大人になった佐倉が再び高校に戻って手話で当時と同じ作文を読んでみせる。そこに声はなくても青羽には伝わっている。その伝わる理由は高校の頃に集中して聞いていたからなのだろうと思わせられる。

 時々登場する高校時代の映像。つい自分の高校時代と重ねてしまう瞬間がある。自分の高校時代には何があっただろうかと。交際、とは無縁だった自分にしてみたら、異性と一緒に帰るというのはどんな感じだったのだろうかなと想像がつかない。あの頃の自分がいるから、今の自分がいる。仮に青羽と佐倉のような関係の誰かがいたら、今の自分はいないということなのだろうと思うと、不思議な感じがする。

 大人になった人たちが、ちょっと前の時代を振り返る映像というのは、自分が過去を振り返るきっかけをもたらすもので、少しばかり切ない気持ちも感じてしまった。

・耳が聞こえなくなっていく恐怖

 この作品、個人的には一番印象的だったのは、佐倉が少しずつ音が聞こえなくなっていく様子を描いたエピソード。大学での周りからの反応にも気を使い、さらにいつ自分が全く聞こえなくなるのか、という恐怖に怯えている。

 そんな状況の中で、とうとう聞こえなくなる日がやってくる。自分が話しているのに、自分の声が聞こえない。そのことを、「うまく話せていないみたい」と思う発言があったのが、なんとも心に響いた。聞こえなくなるというのは、そういう事なのかと。

 周りは佐倉が声を出せていることを知っている。佐倉自身だけが聞こえていない。それを声が出ていない、という、この周りとのギャップ。その時、自分だったら、どんな表情をしているのだろうか。

 逆に佐倉のように徐々に聞こえなくなっていくという感じがあったら、どうしているのだろうか。音がなくなっていく。新しい音が聞こえなくなる。記憶の中だけの音になる、という世界。

 想像すると佐倉のようにそれまでの人間関係を断ち切りたくなるような気がした。ただ自分の場合は、心配されるから、ではなく、ギャップを感じるのが嫌だから、という感じがする。佐倉は、そういった思いから前向きになったのだから、いろんなものを受け入れる努力をしたのだと思う。

・ろう者も聴者も話し合えば

 それでも青羽と再会した最初は避けようとしていたものの、青羽のしつこいほどの話しかけに応じていくうちに、ちょっとずつろう者であることを受け入れられているを思えるようになっていって、お互い積極的に会うようになっていく。

 スマホの文字起こしツールを使ったり、手話を使ったり、LINEを使ったり、いろんな手段で会話をしていく佐倉と青羽。戸川も佐倉と積極的に会って、話をしている。

 そんな様子を見ていると、今の時代はだいぶお互いのコミュニケーションがとりやすくなったのだと思う。スマホがなくて、紙に文章を書いていた頃もあったのだろうと思うと、技術の進化というのは、少しずつ聴者とろう者、あるいは他にも体に障害を持った方々とコミュニケーションを取る助けになっているのだろうと思う。

 このドラマを通じて思ったのは、ろう者とも普通にコミュニケーションをすることは可能であり、聴者だから、ろう者だから、なになにということは無いのだろうと思った。細かいところで制限のかかることはあるかもしれないけれど、二人で会話をするという点では、なんら問題がないのだろうな、と思う作品だった。 


<佐倉を囲む人たち>

・打たれ強い青羽

 川口春奈作品を鑑賞するのは初だっただけに、どんな人なのか、と思いながら青羽を見てしまう。高校の頃の思い出の場面が時々あり、同じ川口春奈が制服姿でも登場するものだから、社会人というよりは、実は高校生?と思ってしまうこともあった。

 逆にエピソードが進んでいくにつれて、それなりにいい年なんだと感じ始めると、その年で高校生の格好って、撮影時どんな心境だったのだろう?と撮影時の思いを想像してしまう。

 そんな川口春奈こと青羽。とにかく打たれ強い。佐倉と意思疎通ができなくて、ダメージを受けていても、最終的には驚異の回復力。戸川から別れ話を持ち出されて、一瞬戸惑うものの、その後も普通に生活できているし。なんというか、とにかく強い女性と感じる。

 内面ではたくさん悩んでいたのだろうけれど、それがあまり表に出てこない感じがあって、強い人だなと感じる存在だった。

・浮き沈みが多かった桃野

 この作品で実は一番感情の浮き沈みが大きかったのは桃野なのではないか、と思われる。同じろう者同士、佐倉と交際するのは自分だと思っていた節がある桃野。彼女にとって、高校の頃の交際相手である青羽が再び現れたとあっては、気持ちがざわつかない訳が無い。

 青羽に対して攻撃的になる場面があったり、佐倉の気持ちが青羽に向いているのを感じて、失恋してみたり、あまりにも落ち込みすぎて、昔、仲良くしていた春尾に会いに行ってみたり、そこから順調に恋(?)が実って行ったり、戸川をからかって楽しんでみたりと、実にいろんな表情を見せていたように思う。

 清々しい感じの存在感だった。近くにいると、いつも楽しいのではと思わせてくれ田。

・お助け役になった戸川

 最初の頃は青羽と戸川が交際している。この二人、高校の頃もクラスメイト。高校の頃は青羽が佐倉と交際している。戸川にとって佐倉も青羽も大事な存在。いつも側から応援する立場。その戸川が大人になって青羽と交際している。

 ところが結構、早いタイミングで戸川から身をひいていく。流れ的には佐倉と再会した青羽が、気持ちの抑えが利かなくなって、戸川から離れていくという風になりそうだと感じていただけに意外な潔さ。

 それだけ潔く去って行ったからこそ、その後の戸川は困った時の相談役っぽい存在になっていたのだろうか。後半に行けば行くほど、良き理解者感を出していて、初期の頃から、随分とイメージが変わったと感じる一人だった。


<印象に残った場所3選>

・タワーレコード

 すぐに思い出される印象的な場所はタワーレコード。

 自分はCDTVを見ていたからHMV派だったけれど(などと張り合う場面ではないのだけれど)、タワーレコードにも足を運んでいたもの。

 それが今ではApple Musicで事足りてしまうため、すっかり行かなくなってしまった。CDを手に取るということ自体がすっかり減ってしまっている。そういう状況なだけに、今でもタワーレコードが健在で、そこで一生懸命働いている青羽の姿が印象的だった。

 今、行ったらどんな感じなのだろうか。あまりにもわからなさすぎて、ワクワク感よりももやもや感が強いのかもしれない。そんなことは無いと信じて、今度、外出する際に見かけたら、立ち寄ってみたい。

・高台の公園

 青羽の実家の近くにどうやら高台の公園がある。大学生になった青羽と佐倉が久しぶりに会うのがその場所。高台の公園というのは見晴らしが良さそうで実に羨ましい。緑が豊かでブランコが端っこにある。木陰が多くて、ゆっくりと会うのに最適な感じの公園という印象で、そういう公園が近くにあるのはいいものだと思う立地だった。

・踏切

 青羽が住んでいるアパートの近くには線路が走っているようで、そこに来る途中に踏切を渡る場面がある。何度かその踏切の向こう側とこちら側で青羽と戸川、とか佐倉と青羽とかそんな場面があったように思う。

 踏切を見かけるとどうしても電車が通り過ぎる頃にはどちらかがいなくなっているのでは、という想像が過ってしまう。

 次には、追いかけようと踏切に入って行ったら電車に撥ねられてしまうという恐怖の展開など。どうも自分には踏切はいいイメージがないらしいと感じてしまう。

 登場した人々はみんな何かしら前向きになって終わっていった作品だった。


[各話感想]

第11話(最終話) 末永い幸せを!

 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!



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