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  • 執筆者の写真Dancing Shigeko

国内ドラマ『桜の塔』警察組織の裏側に触れる

更新日:2023年6月10日

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 2021年春のドラマ四作品目、見終わりました。今回は国内ドラマ『桜の塔』を紹介します!


[基本情報]

 脚本:武藤将吾

 プロデューサー:中川慎子 中沢晋

 制作協力:オフィスクレッシェンド

 制作著作:テレビ朝日

 主題歌:宮本浩次『sha・la・la・la』(ユニバーサル・シグマ)

[登場人物]

上條連:玉木宏

 警察官だった父が最期に遺した言葉"警察に殺される"と言う意味を自ら調べるために警察のキャリアの道を選ぶ。トップを目指しながら、父の死の真相を探る。

 常に何かを胸に秘めている感じが表情から伝わってくる。そんなに険しい顔ばかりしていると眉間に皺が残ってしまうって心配になってしまった。

水樹爽:広末涼子

 上條蓮の幼馴染みで捜査一課の警官。蓮が道を誤らないようにいつも目を光らせているが、本心はただ蓮のことが心配で仕方がない。

 広末涼子作品を見るのはいつ以来か、水樹爽のキャラを作り上げていたように思う。正義を貫こうとする一面と蓮の理解者でいることの狭間で苦労している感じが伝わってきた。

千堂大善:椎名桔平

 外様派を率いるキャリア。警視総監の座を目指して、部下の上條蓮に時には薄汚いこともさせる。蓮の理解者と見せて、実は闇を過去に持つ。

 クールだね~と言う時の裏のある表情が印象的。実にはまっていた。トップナイフと時とはだいぶ違ったドス黒さがあってよかった。

[内容]

 警察のトップの座をかけて千堂を始め、彼の同期の吉永、権藤がしのぎを削る。ポイント稼ぎのために、時には卑劣な手段で功績をあげていく。

 上條連もまた父親の事件の真相を探るために警察上層部を目指していた。違法すれすれの行為で成果を出していた。その行動を問題視する水樹は、蓮に真っ当な道を歩んでもらおうと働きかけるが、蓮は悪魔に魂を売ったと言って突き進んでいく。

 そして父親の死の真相が明らかになるが、そこには上條の想像を遥かに超えるものが待ち受けていた。

[感想]

 警察内部の権力争いと、そこから生じる歪みを描く全九話。

・上條蓮vs千堂大善

 上條にとっては信じていた上司の千堂。彼の背中を追って、彼を信じて、上を目指していた上條にとって、父親の死の原因を作った男だと分かった時、どれだけ絶望したのだろうと思う。その絶望から5年間の仕込み期間。一気に行動に出たものの、一度ならず二度目も追い詰めに失敗。どれだけ千堂の経験と権力がものを言うのかと思わされる展開に、警察の恐ろしさを感じる。

 最終的には上條が復讐を成し遂げた形になったものの、そこにハッピーエンドはなかった。そのハッピーエンドではなかったところを、真っ当な道に引き戻した水樹。彼女の存在は、最終話で光ったように思う。


・警察という組織の闇

 ドラマだとは言え、随所にこう言った事は実際にも起きているのだろうと感じさせるリアリティがあった。押収品の横流し、身内の事故もみ消し、自らの失態の隠蔽など、多々ありそうに感じてしまう。一般企業が起こす不正と、警察で起きる不祥事。なぜか権力を持つ警察が不祥事を起こすと、悪に見えてしまうのだから不思議である。それだけ責任があるということなのだろう。そう言った責任のある組織のトップを目指すのだから、それは周りの支援なくして成り立たない世界なのだと思う。


・出世争いの卑劣さ

 何かあるごとに、皆が口にするこれで警視総監の座は遠のいたな、とか警視正の座が遠のいたなとか、近づいたなと言った発言。キャリア組はそこまで常に意識しているものなのだろうか。会社勤めの自分にとって、そういうギスギスした感じが分からない。思っていても口にしないように感じる会社員と、バリバリに上を意識している警察組織。実際のところはどうなのだろうか。いつもそんな上ばかり意識していたら、疲弊してしまいそう。疲弊した結果が、いろんな不祥事なのか。

 馳が昇進争いで脱落して、自殺を計った一話。そこまで思いつめるものなのか。次の年にチャンスがやってくるというものではないのだろうか。警視庁(桜の塔)の頂点から見える世界って、そんなにも憧れるものなのだろうか。警察って一体、どんな組織なのだろうって思わされる展開だった。


 警察という組織に疑念を抱かずにはいられない展開のドラマでした。ドラマとは言え、恐怖を覚えるものがあった。

[各話感想]

 第5話 完全なる敗北

 第6話 新たなる風


 皆様の感想もぜひお聞かせください!

 それでは、また次回!


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