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国内ドラマ『民王』コメディでシリアルな政治家作品

  • 執筆者の写真: Dancing Shigeko
    Dancing Shigeko
  • 2022年7月4日
  • 読了時間: 4分

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 今回は国内ドラマ『民王』を紹介します!


[基本情報]

 原作:池井戸潤

 脚本:西荻弓絵

 製作総指揮:大川武宏

 制作:テレビ朝日

 主題歌:miwa『ストレスフリー』


[登場人物]

武藤泰山:遠藤憲一

 第100代内閣総理大臣。何者かの陰謀で息子と心が入れ替わる。

武藤翔:菅田将暉

 泰山の息子で大学生。優しいが、おバカ。漢字など読めない。

貝原茂平:高橋一生

 大山の公認第一秘書。いつも冷静に物事をとらえている。

狩屋孝司:金田明夫

 官房長官。


[内容]

 武藤泰山は第100代総理大臣に就任。ところが歯の痛みに耐えていると、息子の翔と体が入れ替わってしまう。

 入れ替わった翔は就任演説で漢字を次々と読み間違え、先行き不安になるスタートを切る。入れ替わったまま、泰山は翔と行動を共にしてボロが出ないように気をつけるのだった…


[感想]

 総理と息子の体が入れ替わって、繰り広げられるコミカルタッチの政治物語。

・池井戸潤作品にしては珍しいSFテイスト

 『半沢直樹』、『下町ロケット』や『7つの会議』、『空飛ぶタイヤ』などこれまで触れてきた池井戸潤作品は、どれも現実にありそうな出来事。そう言った現実的な内容に大逆転の要素を加えて描写してくるのが、池井戸潤作品というイメージがある。

 ところが、この作品はまさかのSFテイスト。総理と息子が入れ替わってしまう展開。さらには政敵の蔵本も娘と入れ替わってしまう二段構え。この設定には最初戸惑わずにはいられなかった。


・コミカル、それでいて真面目

 総理になった息子 翔は漢字が読めないおバカさん。ルビがふられていない漢字をとことん読み間違える出だし。これだけ見ると、この作品はコメディなのかな、と言う気配がある。

 ところが、そんなおバカさ加減で笑いを取るのは最初だけ。2話目以降は入れ替わりを必死に隠しながら、真面目に政治と向き合っていく展開。


・政治家を学生の視点で描く

 翔は学生ならではの視点で、政治的な課題に意見をしていく。子ども園を救うことができず、サミットの食事代にお金を使うことに対して疑問を投げかけたり、過去のスキャンダルでギャーギャーと騒ぎ立てる野党に対して、何か今現在、相応しくないことをしたのかと反論。

 それぞれのエピソードで政治に染まっていない学生的な視点で意見を言っていく。その純粋な気持ちが、この作品で訴えたいことだったのだろうと思わせる。

・学生をバカにする社会人を返り討ちにする

 一方、泰山も就職活動で面接を受けることになる。その面接官の傲慢な態度に、物申していく。学生をバカにする態度に対して、厳しく突っ込んでいって、しまいには相手の心を動かすことに成功する。

 学生に対して、自分を強く持ちなさいというメッセージにも見える。下手に出るのではなく、言うことは言う。そういう姿勢が大事だぞと訴えているように感じる内容。


・政治は誰のため?

 そして一番伝えたかったことは、私利私欲のために政治をしている気配がある政治家たちに対するメッセージだったように見える。誰のための政治なのか。総理という肩書き欲しさに偉くなろうとしていないか?と。

 一方で、そう言った頂点を目指していく過程で、初心を忘れていないか、という思いも伝わってくる。作品後半では、泰山が小学生の翔に対して、語り合った夢の場面を思い出したり、妻と出会った頃のエピソードから、いかに今、その頃の思いを失ってしまっていたか、気づいていく。元に戻った時に、妻に対しては素直に謝り、翔には夢を持てという思いが滲み出る。

 何事も初心を忘れてはいけない、というメッセージを、誰のための政治か?という内容と混ぜ込んで表現されている作品と感じた。


 と言った展開の中で一番印象的だったのは、総理になった翔が総理と呼ばれるたびに手を軽く上げる動き。あの手のあげ方が印象的で、どうも自分の行動の一つに取り入れられてしまった作品だった。


[各話感想]

 第四話:大事なのは今!

 第五話:政治は誰のため?

 第八話:民意を問う


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!



 
 
 

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