こんにちは、Dancing Shigekoです!
コロナの感染者が今年最も少ない水準になった。このまま年末まで再拡大が起きないことを願いたい。
今回は映画『秘密』を紹介します!
[基本情報]
原作:東野圭吾『秘密』
監督:滝田洋二郎
脚本:宇崎竜童
プロデューサー:田上節郎 / 進藤淳一
エグゼクティブ・プロデューサー:間瀬泰宏
製作:児玉守弘
企画:原田敏明
製作:TBS
主題歌:竹内まりや『天使のため息』
上映時間:119分
[登場人物]
杉田藻奈美/直子:広末涼子
バスの転落事故で直子の魂が藻奈美に乗り移る。高校生として第二の人生を送るが平介とすれ違う事がある。
杉田平介:小林薫
藻奈美の父、妻 直子が娘の姿になり戸惑いながら生活。インスタントラーメンの開発をしていて、休日は縁側に寝そべって庭を眺めて過ごす。
梶川文也:金子賢
転落事故を起こしたバス運転手の息子。ラーメン屋でバイトをしている。
相馬春樹:伊藤英明
藻奈美の先輩、関東医学大学でヨット部に所属。藻奈美に好意を寄せる。
[内容]
杉田平介の妻 直子と長女 藻奈美がバスの転落事故に遭う。直子は亡くなり、その魂が藻奈美に宿る。
平介と藻奈美(中身は直子)の二人は秘密を抱えながら、せいかつをおくっていくのだった。
[感想]
ドラマ版『秘密』に続いて見た映画版。原作も含めて内容の差を楽しむ。
・衝突控えめ、時間が着々と過ぎていく
ドラマ版に比べて平介と藻奈美の衝突は少なめ。どちらかと言えば、平介は新しいインスタントラーメン作りに励み、藻奈美は勉強とキャンパスライフに追われている感じが強い展開。
平介が穏やかだと感じていただけに、唯一衝突した時のセリフはショックだった。藻奈美に対して自由にする権利はないと言ったことを言い切っていたのは、さすがに言い過ぎではと感じずにはいられなかった。
相馬に対して、平介が割って入って住む世界が違うから付き合えないと突き放した場面も印象的。その後、我々は宇宙人だと言い始めるのだから、藻奈美としてもどうしていいか困ったのではなかろうか。
・各人物の差が特徴的
ドラマ版は佐々木蔵之介と志田未来。身長差が30㎝近くあって、どうしても親子と感じる設定だった。それに対して、小林薫と広末涼子。15㎝程度の差だったので、日本の一般的な男女の身長差と感じる。そのため、ドラマ版以上に二人が夫婦っぽく見えた。若い妻と生活していると言う印象。
その二人の設定に加えて、直子役が石田ひかりと岸田加世子。やや失礼な言い方をすると、岸田加世子演じる直子の方がおばちゃん感があって、そのおばちゃんが藻奈美の中にいると言う感じを所々で感じられた。
ドラマ版平介は嫉妬深そうに見え、映画版は温厚な人物に見える。藻奈美は高校生っぽさが全面に出ていたドラマ版に対して、どちらかというと高校大学社会人で通用しそうな映画版。
さらに映画版の橋本先生が石田ゆり子だったのが興味深い。石田ひかりがドラマで直子を演じる。この関係が面白かった。
長野の実家のメンバーが昔ながらの感じを与える映画版は映像の質もあったのかもしれない。
そして大きな差は梶川文也の扱い。原作の設定で言っているのはドラマ版で田中圭が演じる。どこか気弱さを感じさせる。一方、映画版は梶川と一緒に住んでいた一人息子と言う扱い。平介の会社に就職もしてこない。だいぶアレンジされている。その役を金子賢が演じる。田中圭と対照的に肉食系男子。ラーメン屋でにっこり笑いかけてくる様子は男らしさか、何か。面白い違い。
登場人物のキャスティングでここまで受ける印象が違うのだから、いろんな視点で楽しめる。
・事故の場所、最後の場所
最初に気になったのは事故が起きた場所。同じ長野に向かう山道ではあるものの季節が春先と夏とで違うため雪が残る。映画版は原作と設定を合わせた形。
そして走っていた場所は立山黒部だと思われる景色。リムジンバスがすっぽり隠れてしまうほど、高く積もった雪の壁の間を走る。それだけでもちょっとした観光気分になれる。
この作品では、そこは悲劇の場所となるのだけど絶壁から落ちていった感じで、ドラマ版よりも無重力感があったのが怖かった。
事故現場に慰霊に行った時に遠くに見えた白馬山などなどの景色はきれいだった。慰霊としてではなく観光であのあたりに行ったら景色も楽しめただろうにと考えてしまった。
そして場面は最後、平介と直子の最後の日に行った公園。みさき公園と表現していたと思うのだけど、ここがドラマ版山下公園とは大きな違い。高台にベンチがあって海を見下ろす感じになっている。さらに人通りが全くない長閑な公園。確かにそこなら時間を忘れて一日中海を眺めていていられそうと感じた。一体どこだったのだろうか。犬吠埼あたりだったのか、行ってみたいと感じる眺めの良い公園が羨ましかった。
晴れた日に海を眺めて、日の沈んでいく様子に1日の終わりを感じる。直子の終わりを感じさせるのと同じように。いい景色だった。
ドラマ見終わった後に鑑賞すると、いろんな設定の違いがあり、それぞれで楽しめる作品だった。
鑑賞日:2021年10月14日
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それでは、また次回!