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映画『レミニセンス』過去への旅からヒントを得る


 こんにちは、Dancing Shigekoです!

 先日『シャン・チー/テン・リングスの伝説』を観に行ったときに、上映開始前の予告でこの映画を知った。上手に見せる予告に興味を持った。ちょうど夏季休暇で仕事が休みだったので、公開初日の朝一の回で鑑賞してきた。

 今回はヒュー・ジャックマン出演映画『レミニセンス』を紹介します!


[基本情報]

 原題:Reminiscence

 監督:リサ・ジョイ

 脚本:リサ・ジョイ

 製作:ジョナサン・ノーラン / リサ・ジョイ / マイケル・デ・ルカ

/ アーロン・ライダー

 製作会社:キルター・フィルム / マイケル・デ・ルカ・プロダクション

      フィルムネーション・エンターテイメント

 配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

 製作年:2021年

 上映時間:116分


[登場人物]

ニック・バニスター:ヒュー・ジャックマン

 記憶の旅を提供する仕事をしている。警察の事件捜査に協力することもある。閉店間際にやってきたメイに一目惚れする。

メイ:レベッカ・ファーガソン

 ニックのところに無くした鍵の場所を探す相談に来る。何か秘密を抱えている気配を見せる。

エミリー・”ワッツ”・サンダース:タンディ・ニュートン

 ニックの部下で酒浸り。かつては銃の名手だった。

セント・ジョー:ダニエル・ウー

 ニューオリンズを縄張りにする麻薬の売人。メイを知っている。

サイラス・ブース:クリフ・カーティス

 かつてジョーのところで働く汚職警官。今は手を切って単独で行動している。

ウォルター・シルヴァン:ブレット・カレン

 マイアミの地主。

エルサ・カリーン:アンジェラ・サラフィアン

 ニックのところに来る常連客。不倫してる記憶を大事にしている。

エイヴリー・カスティッロ:ナタリー・マルティネス

 マイアミ警察官。


[内容]

 ニックのところに、一人の女性が相談に来た。鍵を無くしてしまったので探したいという。彼女の名はメイ。ワッツは閉店したと追い返そうとするが、ニックがそれを止め、メイの要望を聞く。記憶の世界へと案内し、鍵の場所を特定する。ニックは彼女の歌にすっかり魅了されていた。

 メイがイヤリングを忘れて行っていたため、彼女の働くお店に届けに行く。そこでメイと言葉を交わしているうちに親しくなっていく。そのまま二人の交際が始まった。

 ところが、メイは何も言わずに姿を消してしまう。それでニックは過去への旅に入り浸るようになる。そんなニックを咎めて少しは仕事をするように助言するワッツ。彼女に連れられ、エイヴリーの捜査協力をする。ニックはその捜査の中で、メイが5年以上前にニューオリンズにいたことを知る。すぐさまニックはニューオリンズでメイが働いていたセント・ジョーのところに行くがメイの行方は知らないとあしらわれる。さらに身分を偽ったことに対する償いとして溺死させられそうになっていた。ワッツが救いに現れ、危機を脱したニック。メイのことを諦められず、彼女の行方を追いかける。

 やがて、ジョーの下で働いていたブースが関係しているとわかり、ブースに真相を聞きにいくのだった。


[感想]

 一人の女性メイに魅せられたニックが、彼女の失踪をきっかけに過去に取り憑かれる作品。

・過去の楽しかった思い出に浸る

 過ぎ去ってしまった時間。楽しかった思い出を見て、その余韻に浸る。そういった思想のこの映画、未来に全く希望を見いだせないからそういうサービスが生まれたと言う。未来に希望を見出せず、過去の栄光、悦びにすがる。悪く言えば現実逃避を推奨しているようにとれる、良く言えば思い出の再現を実現した夢のような世界観。

 過去の記憶を頼りに捜査に役立てるとか、無くしたものを探すという点では、有効な活用法だと思う。そう言う点で、エイヴリーの捜査協力をするのは非常に意味があることだと感じたものの、この映画では、あまり重要視されていなかった。

 どちらかと言えば、ニックが消えてしまったメイとの思い出に浸っている、半ば中毒になりかけている感じ。その様子を呆れて見ているワッツ。ワッツは呆れているのと同時に心配もしている。それだけ思い出というのは中毒性が高いのだと感じる。

 存在しない記憶にアクセスしようとすると、「ブランク」と呼ばれる症状が出て、脳がやられてしまうという設定は興味深い。つまり、外部から見たい記憶を指定できるというのだから、使い方によっては有意義な装置だったと思う。

 本人が過去の記憶の世界に浸れるという、独特の世界観。この発想は、今後もいろんなストーリーを作れそうだと感じる内容だった

・メイの虜になるニック

 ニックは鍵探しためにメイの記憶を見る。鍵の場所は分かった後も、ニックは彼女の記憶を続きを見る。その様子はまるで『グレイテスト・ショーマン』でバーナムがジェニー・リンドの『Never enough』を聞いた時の場面を思い出させる。と思って、調べてみるとジェニー・リンド役もレベッカ・ファーガソンだった。道理で似たものを感じたわけだ。

 さて、その場面から始まり、イヤリングを届けに行った時にメイが「家まで送ってくれない?」と誘う。そのまま、彼女の家について関係を持つところまで一気に発展。一目惚れから、翌日にはそんな関係まで行くなんて、ハリウッドらしいと感じて特に違和感はなかった。しかし、実はそのあたりには意味があったと後半で分かる。

 最後まで見終わってから、ニックの行動を振り返ると、「男というのは、なんとまぁ、女性に騙されやすい生き物なのか」という感想が残る。見事に騙され、踊らされ、捜査の一環で見ている容疑者の記憶を、捜査に関係のないところまで見ようとするほどに魅せられてしまって。騙されやすかったとしても、それだけ夢中になれる女性に出会えたということは幸せだったのかもしれない。そんな風に感じる展開だった。

・場所は水没したマイアミ

 『ウォーターワールド』とは異なる水没した世界が舞台の映画。足元だけが水没している場所もあれば、建物の1階まで水没しているところや、逆に道路が出ている場所とある。こういう世界はどのように作っているのだろうと興味が湧く。模型にしては、リアルな街並み。実際の街にしては、規模が広すぎる。CGというには自然すぎる。どこかの街で実際に水没させているというのであれば、これだけの広範囲が水路になっている場所はヴェネチアしか思い浮かばないが、建物が明らかに違う。といった感じで、その世界観はいろんな想像をさせる。

 マイアミを中心に、途中ニューオリンズが登場するものの水没している街並みに、それぞれの土地の特徴を見つけるのは難しかった。

 そして一部分は乾燥している土地で、地主が住んでいるという。そのギャップに権力の差を見る。どんな世界でも貧富の差がある。水浸しのところに住む一般民と、乾燥した土地で住む地主。一部の人のみが快適な環境で過ごす。そういう世界を見るたびに、なんとかギャップを縮めることができたら良いのにと感じてしまう。


 過去は美しく楽しいもの、しかし後ろばかり見ていてはいけない。未来を信じて前を向いて生きていこう、そういったメッセージを伝えたかった作品なのだろうと感じた。


鑑賞日:2021年9月17日

 皆様の感想もぜひお聞かせください!

 それでは、また次回!



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