こんにちは、Dancing Shigekoです!
今日は娘と散歩をしてきました。
今回はクリストファー・ノーラン監督映画『メメント』を紹介します。
[基本情報]
原題:Memento
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
製作:ジェニファー・トッド / スザンヌ・トッド
配給:サミット・エンターテイメント
製作年:2000年
上映時間:113分
[登場人物]
レナード:ガイ・ピアース
短期記憶が残らない障害を持つ。自分の妻を殺した犯人を探し復讐をしようとしている。
ブラッド・ピット似の俳優。体にたくさん文字を書いている様子は、掟上今日子を連想させる。
ナタリー:キャリー=アン・モス
恋人を失ったというレナードと同じ境遇で、同情して犯人探しを協力する。
マトリックスのトリニティ役が印象的な女優が、通常の世界で活動しているのが新鮮。
テディ:ジョー・パントリアーノ
レナードの犯人探しを手伝う。
よく見かける感じの俳優。何で見かけたか記憶を辿っても思い出せず、調べてみたらマトリックスに出演していた。キャリー=アン・モスと共にマトリクスコンビが出ていても、マトリックスを感じさせないあたり、二人ともこの世界の役柄になりきっていたということだろう。
[内容]
レナードは妻を犯し、殺した犯人を見つけ復讐を考えていた。そしてついに見つけ、テディを殺害する。
[感想]
時間が遡っていく見せ方で、徐々に真実が明らかにしていく過去に類のない作品。
・最後まで見終わった時につながっていく一本の線
主人公レナードが短期記憶障害を持っている。10分前の出来事すら覚えておくことができない。その特徴を活かして、映画は一番最近の場面から始まる。レナードがテディを撃ち殺した直後の場面で始まる。
レナードは時間が経てば経つほど、ちょっと前に起きたことが分からない状態になっていくため、最後のこのシーンがなぜ起きたのかが全く分からない状態。この見せ方が面白い。大抵の映画は、次に何が起きて、どんな結末になるのだろうと思って見るものが多い。そんな中で、この作品は真逆。どんな結末は既に分かっている。テディを殺して終わる。
ところが、なぜそれが起きたのかが、全く分かっていない。殺したレナードも、なぜテディを殺したのかが本人すら分かっていない感じ。それを少しずつ時間を遡って、その場面に辿り着いた経緯が描かれていくという見せ方が、実に巧み。さすがクリストファー・ノーランと言った印象。
最後まで見終わった時に、なぜそうなったのかが分かるという展開。レナードがテディを殺すことになった一連の流れは理解できたものの、見終わった後に感じたのは、どこまでが真実なのかの見極めが難しいという部分。テディがレナードに、テディの過去について話して聞かせていた内容が真実なのか、レナードの言っていることが真実なのか。素直に見るなら、記憶があやふやなレナードの言っていることよりもテディの言っている事の方が真実なのだと思うものの、どこかレナードの言っていることも真実なのかもしれないって感じさせる部分があり、人によって捉え方が異なるように思う結末だった。
・テディとナタリーの知るレナード
記憶が消えてしまうレナードを中心に話は進んでいく。白黒で過去っぽく見せる映像と、現在とが交互に語られる。その映像はどれもレナードから見た時の記憶で語られる。
それに対してテディやナタリーは彼に会う度に、知っているという様子を見せる。ただそこで話している内容がレナードの見ている過去とは一緒ではない感じに見えることが多い。当然、記憶がはっきりしている彼らの方の言っていることが正しいのだけれど、終始レナード視点の映像のため、だんだん真実がどこにあるのか分からなくなる。そういったトリッキーな見せ方に感じる。
・アメリカの一都市が舞台
この作品はどこの街なのかは明確に描かれていなかったけれど、おそらくアメリカの一都市だと思われる。モーテルや、ナタリーの家など、いかにもアメリカって感じな印象。どこの都市か分からない作品の、撮影現場を探し求めて、旅行をするのも楽しいのかもしれない。なんとなくではあるが、アメリカ南部っぽく感じたのは何故だろう。
見終わった後にみんなと語りたくなる複雑な映画で、何度でも楽しめると感じる一本だった。
鑑賞日:2021年9月11日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!