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映画『チェンジング・レーン』 日常生活に潜む分かれ道、その時あなたなら?

更新日:2021年10月28日

 こんにちは、Dancing Shigekoです!

 今回は映画『チェンジング・レーン』を紹介します!


[基本情報]

 監督: ロジャー・ミッシェル

 製作: スコット・ルーディン

 製作会社: パラマウント映画、スコット・ルーディン・プロダクションズ

 配給: パラマウント映画

 製作年: 2002年

 上映時間: 98分


[登場人物]

ギャビン・バネック:ベン・アフレック

 弁護士、義父の法律事務所で働く。裁判で財団の経営権を譲り受けることの妥当性を証明しようとしていたところ、権利委譲書を紛失していることに気づく。

 ギャビンの行動には疑問が一杯だった。


ドイル・ギブソン:サミュエル・L・ジャクソン

 保険会社で働く。アルコール中毒で、更生するための集まりに参加している。離婚調停に遅れてしまい、全てを失う。

 真っ当な人生を送ろうとしているのに、不幸が降りかかって来る。運が悪いの典型に見える。


[内容]

 ギャビンは財団運営の裁判に急いでいた。ドイルは離婚調停のために急いでいた。この二人が進路変更で事故を起こす。ドイルは正しい手続きを踏もうとするが、ギャビンは小切手を渡してその場を終わらせようとする。そしてさっさとその場を去っていってしまう。

 現場に取り残されたドイルは、ギャビンの落とし物も持って、裁判所へ移動したが、20分遅れたために、子供の養育権を妻に持っていかれてしまう。慈悲は一切なく、裁判は打ち切り。

 一方、ギャビンは担当する裁判で証拠の品がないことに気づき、ドイルと連絡を取ろうとする。偶然、帰りに歩いているドイルを見つけ、ファイルを見なかったか問い合わせる。そんなものは捨てたとドイルは答える。

 ギャビンは絶体絶命の危機。一度は裁判はうまくいったと義父に報告するが、権利委譲書が戻ってこないと考え紛失したことを伝える。すると遺言書のサインを使って捏造したら良いと提案される。妻からもそうするように迫られる。

 ドイルは捨てたファイルを再び取りに戻って、ギャビンに怒りをぶつけたファックスを送る。それを見たギャビンは報復行為としてファイルを取り返すために裏家業の人物にお願いしてドイルの口座などを全て止め、自己破産させる。

 ドイルは、家購入のためのローン担当から、呼び出されて自己破産しているためローンの話はなかったことにさせられていた。

 こうして二人の対立は徐々に悪化していくのだった。


[感想]

どっちが悪い?という問題ではないと思うが、窮地の時の人間の醜さが描かれている作品。

・運命の分かれ道がたくさんあった

 最初にぶつかってしまった時に、大人しく示談するための調整をしていたら、この映画は10分で終わっていただろう。この作品では示談はせず、ギャビンが一方的にお金で全ては解決できるでしょ?というスタンスでドイルを軽くあしらったことから話が拗れる。この場面だけを見たら、ギャビンが9割以上選択ミスだったように感じる。

 次の対応はどうか。ギャビンが偶然、雨の中、歩いているドイルを見つけて、ファイルについて質問をする。その時の流れはどうだろう。個人的には相手に誠意を見せたいのならば、車に乗ったまま話しかけるのではなく、車からおりて相手の前まで言って謝罪なり、質問をするべきではなかっただろうか。ギャビンはこの時の行動を謝罪という。自分は謝罪したのに相手は聞く耳を持たなかったという。自分は車の中、相手は雨の中、そんな構図で謝罪って成り立っていたのか。という意味でも、この場面でもギャビンに疑問。

 続く場面は契約書のファックスを巡る対応。契約書をゴミ箱から漁って手元に戻したドイル。その一枚をファックスで送る時に”Better luck next time”とギャビンの言葉を殴り書きにして送る。一種の宣戦布告。ここはどうか?ドイルがやり過ぎた感があるけれど、それを見て冷静に対処しようと思えなかったギャビンにも落ち度がありそう。そこでさらなる報復行為に出るのだから、ギャビンが傷口を広げにいったように思う。

 そしてギャビンがドイルの口座凍結した後の行動。わざわざ嫌味な電話をメッセージとして残す必要があったのか。さらにドイルの子供が通う小学校に押しかけて、ドイルは危険人物だと吹き込んでみたり、小学校にドイルが行くように子供が事故に遭ったと嘘をついたりと、挙げ出したら全体的にはギャビンの方が落ち度が多かったように感じる。


・心の葛藤、そして前進をしようとする

 離婚調停が理不尽な理屈で失敗に終わり、失意のドイル。バーに入ってバーボンを用意してもらう。しかし飲まずにずっと眺めたまま考えを巡らせる。さらにはコーラに注文を変える。その数十分なのか、数時間なのか、きっと迷いに迷っていただろうと思う。それでも飲まずに持ち堪えたのは家族を大切にしたいから。その思いが見える。

 職場に戻って、契約書をバイク便で送り届けようと思うところまで気持ちを落ち着かせたのに、ギャビンの余計な電話があるものだから、感情逆撫でされる。仏の顔は三度も続かなかったのがもったいない部分。


・不正に加担していることに気づいた時

 ギャビンは契約書を取り戻そうと躍起になりつつも、自分のやっていることが本当に正しいのかと疑問を感じ始める。契約書はほとんど意識のない代表のサインをムリにもらって成り立たせたという事実を分かっているギャビンはそこまでして、財団の経営権を譲り受ける必要があるのか、と疑問を抱き始める。

 さらに財団のお金を義父が横領していることに気づいてみたり、捏造したらいいと言いくるめられそうになったりしているうちに、今の仕事に疑問を感じ始める。

 そしてドイルを警察に送り込んだものの、彼の妻と子の様子をみて心揺らされる。自分のやったことは間違っていたと認めて、ローンを払えるように動いたり、彼の妻を説得しにいったり動き出す。義父のやっていることは間違っていると、意見を伝えて、自分の正義を貫こうとする。

 最終的には一般的には正しい行動に見える動きで終わっていく。

 海で気になる女性を見かけ目が合う。声をかけていたらきっと上手くいっていた。でも声をかけずにその場が終わり、その後、何度もあの時に声をかけていたらって思う。そんな出来事に例えて、この日の出来事を、その女性だと言って締め括ったギャビン。このセリフが印象的。人生にはこう言った出会い、こう言った日が必ずやって来る。その日をどう思うか。最悪の1日だったと考えるか、その日があったから、今があると捉えるか。


 実際にも起こりそうなシチュエーションがテーマのこの作品、他人事ではないなと強く感じる展開だった。


 鑑賞日:2021年7月11日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!


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