Dancing Shigeko
国内ドラマ『さまよう刃』第1話 酷い世界・・・
こんにちは、Dancing Shigekoです!
小説を読み終わってドラマを鑑賞してみた。
今回は国内ドラマ『さまよう刃』第1話を紹介します!
[内容]
#1
長峰絵摩はバイトの帰りに車に乗った若者に声をかけられる。逃げようとするが捕まり、連れされてしまう。
絵摩の帰りを待っていた父 重樹は絵摩の友人や警察に連絡を入れるが行方がつかめずにいた。数日後、彼女は荒川で死体となって見つかる。重樹は警察に捜査の詳細を尋ねるが何も情報を得られない。ネットから車の特定や覚醒剤の話を知り、警察に対して不信感を抱いていた頃、謎の電話が入る。
スガノカイジとトモザキアツヤが犯人だというその電話を聞いた重樹は電話で知った住所に向かう。そこで絵摩が乱暴される映像を見て発狂。ちょうどその時、部屋に入ってきた男を襲って、もう一人の居場所を聞き出そうとするのだった。
[感想]
先日読み終わった東野圭吾作品 小説『さまよう刃』のドラマ版第一話。
・原作との違いを見る
小説を読み終わって記憶がはっきりと残っているタイミングでのドラマ鑑賞。細部の違いが興味深い。
最初の流れは全体的に変更がかかっている。ダイニングで長峰重樹と絵摩がいて、重樹がケチアップを服にかけてしまう場面がある。二人が仲良く過ごしている雰囲気を見せている。文章なら二人の関係を、重樹の心の内面を描写してあげることで分かる。それを映像にした時に、仲良くやっている感じを見せるのは、こういう日常の中の映像がいいというのを感じる。そしてその時に使っているケチャップ飛び出し事件。これからの内容を暗示しているようで興味深い。
続いて、絵摩の出かけていった先。花火大会がオリジナル。浴衣姿で出かけていったことになっていた。ドラマではバイト。ワンピースでバイトに出掛けていく。ここを変える必要はあったのだろうか。実際に花火大会らしさを出すのが難しかったか。予算の都合だろうか、などと事情を想像してしまう。
続くカイジ、アツヤ、マコトらが絵摩を襲う場面。クロロホルムで意識を飛ばしてから、車に乗せたというのが原作だったと思うけれど、ドラマでは絵摩に車から声を掛けて、逃げて行こうとするところを追いかけていって無理やり車に連れ込んだ、となっていた。
前半の描写の違いに、脚本家の意図はどこにあるのだろうと想像してしまう。ドラマにしやすい形にしたかったのか。
その後も違いはたくさんあって、大筋を知っている作品として見ていけそうな感じ。
・キャスティングとしては
自分の中ではこの作品の中心人物は、長峰重樹と、長野で出てくる丹沢和佳子。
この二人はできることなら自分のイメージとあった人であって欲しいと思いながら鑑賞。
長峰重樹役は竹野内豊。このイメージは合っている方。
丹沢和佳子役は石田ゆり子。悪くはないけれど、もっとおとなしそうなイメージの女性を持っていったので、ちょっとだけミスマッチ。
他の悪がきたちは、いかにもという感じの人だから良しとして、警察のメインの3人。久塚、真野、織部あたりのイメージもちょっと違う。もっとシュッとしているイメージだったのだけれど、どちらかというとモサっというキャスティング感じてしまう。私の小説でのイメージが美化し過ぎたものだったのか。
どんな個性を見せて行くのか、この後の展開が楽しみ。
・映像で見るものではない
この作品の内容としては、女性が暴力に遭い、復讐の鬼と化した長峰がアツヤを殺し、カイジを探すという暗いテーマ。
という意味では正直、映像で見るにはあまりにも苦しい。絵摩が襲われている場面は見ていたいものではなく、長峰がアツヤを刺している場面は凄惨で、あまり映像で見るものではないと感じてしまった。怒りはよく伝わってきた。
・悪は死ぬ直前まで悪
アツヤが長峰に襲われ、身動き取れなくなる。もう死にそうになっているのに、意外にも死ぬ恐怖よりも、絵摩を襲った時の感想を述べる。100点、ご馳走様、と言っていたのには、さすがに神経を疑った。
ドラマ版オリジナルの発言とは言え、死の間際までこんな発言をできるような神経の持ち主がいるのだとしたら、驚き。世の中、どうかしていると思わずにはいられない。
・意外と最近のドラマ
文庫本の出版は2008年。
ドラマもその頃のものだと思っていたら、意外にも最近撮影されている。基本的にはみんなマスクをしていて、コロナが流行している世界。どうやら2021年に撮影したドラマみたい。
出版から10年以上も経過した小説が、このタイミングでドラマ化されたのには何か意味があるのか。ちょっと意外。
原作とどんな違いをつけながら見せて行くのか、が楽しみな展開だった。
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!