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小説『玉村警部補の巡礼』お遍路を共にめぐる


 こんにちは、Dancing Shigekoです!

 衆議院選の候補者が告示された。選挙戦が本格化する。どんな政策を考えているのか見極めていきたい。


 今回は海堂尊著 小説『玉村警部補の巡礼』を紹介します!

[基本情報]

 著者:海堂尊

 出版社:宝島社

 出版年:2020年

 ページ数:313ページ


[登場人物]

加納警視正

 警察庁刑事局刑事企画課電子網監視室室長。


玉村警部補

 桜宮警察署の警察官。


[内容]

阿波 発心のアリバイ

 玉村警部補は有給休暇を取得して、阿波の遍路巡りに来ていた。どこで聞きつけたのか、警察庁の加納警視正も同行することになる。こうして二人の四国八十八遍路巡礼が始まる。

 そんな中、盗難事件が発生したと言って阿波県警から協力要請を受けるのだった。


土佐 修行のハーフ・ムーン

 加納は十二年前の未解決事件を調べに土佐に来ていた。公務だと言って交通費などを公費で負担して、土佐に来たついでに玉村と土佐のお遍路につくのだった。その道中で知り合った女性が拐われる事件が発生する。


伊予 菩薩のドラキュラ

 玉村はハイヤー巡業と言う暴挙にいささか不服だった。歩き巡業を正だと考える玉村の思いを気にかけることもなく加納は次々と回っていく。その途中で、立ち寄った宿の宿主が翌朝死亡しているのが見つかるのだった。


讃岐 涅槃のアクアリウム

 沢村真魚は水族館の売店でバイトをしていた。そのうち、一人の男性がいつもクラゲの水槽の前で佇んでいることに気づく。いつしか彼のことが気になり始め、話しかけてみる。そして地元のひょうげ祭りに一緒に行くことになるのだった。

 真魚は祭りでポーチを紛失するが、その捜索に現地に来ていた加納と玉村が協力するのだった。


高野 結願は遠く果てしなく

 四国八十八遍路巡礼を終え、最後は高野山の二寺の参拝を残すまでになった加納は、気合を入れて納経所に向かうのだった。


[感想]

 田口・白鳥のバチスタシリーズのスピンオフ作品。


 玉村、加納のコンビが白装束を纏って四国八十八遍路を巡礼する中で事件解決していく一冊。

・遍路と事件を織り交ぜる

 てっきり玉村の有給休暇で全遍路を訪れる旅行記なのかと思いきや、きちんと警察官としての仕事も解決していく展開が面白い。どの事件でも加納のキレが冴える。

 事件解決の手腕と並んで興味深かかったのは加納と玉村の遍路にまつわる会話が面白い。玉村が知識を披露したと思いきや、加納が更に上をいく知識を見せ、謎の論理で次々と玉村の思いを打ち砕いていく。そんな嵐のような遍路は、見た目には嫌がっていても、振り返ってみたら楽しい経験になるのだろうなと感じさせる小気味良さがあった。


・唯一趣が異なる讃岐にて

 讃岐エピソードは水族館の売店の女性と、彼女が見初めた男性が中心の展開が意外性があって面白かった。真魚のデートに対するウキウキ感が、そこまでの展開とギャップが面白い。そして加納、玉村もきっちり登場して、警察官としての責務も全うしていく展開が面白かった。


・四国八十八遍路が舞台

 県名は阿波、土佐、伊予、讃岐と昔の呼び名であったものの四国のお遍路が舞台。参拝する寺院に関してはかなり細かく歴史が語られる。どこまでが事実かは調べていないため分からないものの、〇〇山・××院△△寺と言った感じでリアルな名前での登場。きっと遍路は実際の名称に合わせているのだろうと想像される。

 そしてそのいくつかに歩いて向かう様子が描写されるのだけれど、純粋に自分も同じように白装束、菅笠、金剛杖を手に巡礼してみたいと感じた。歩くのが好きな自分にとってはいい余暇の過ごし方かもしれないと感じさせてくれる設定だった。


読了日2021年10月20日


 皆様の感想も是非お聞かせください!

 それでは、また次回!(21.10.20)



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