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小説『マスカレード・ホテル』 一流ホテルはすごい

  • 執筆者の写真: Dancing Shigeko
    Dancing Shigeko
  • 2020年12月3日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年2月7日


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 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 娘が"炎"を聴いています。今年は、鬼滅の刃の小説も年間で1、2、4位で合計295万部に達したと。今年はとことん、鬼滅の刃の1年だったと感じです。来年は、どうなるのでしょう?


 さて、今回は東野圭吾作品 小説『マスカレード・ホテル』を紹介します!


[登場人物]

新田浩介

 警視庁捜査一課の刑事。ホテルマンになって潜入捜査を命じられる。捜査の第一線から外されたように感じ、プライドを傷つける面も見せるが山岸と仕事をする中で少しずつ事件に対する姿勢が変わっていく。

 自信の塊のような存在だったのが最後には刑事というよりはホテルマンに見えてくるほどの変わりようは読み応えがあった。それでいて、常に捜査の解決の糸口を意識しているのが垣間見える。優秀な刑事なのを感じる存在。


山岸尚美

 ホテルコルテシア東京のベテランホテルマン。フロントクラークとしてどんな難題も華麗に処理していく。今回の事件の潜入捜査の補佐役として新田の教育係を命じられる。

 優秀なフロントクラークというのが随所に見て取れる存在。厳しくも優しく新田を指導して、やがて心底心配してあげる様子や事件構造を知ったにも関わらず、総支配人に伝えられない事に自己嫌悪に苛まれる様子は、彼女の責任感が伝わってくる。こんなフロントクラークに会ってみたいって思うようなオーラを感じる存在でした。


能勢

 品川警察署の刑事。一人目の殺人事件が起き、品川警察署に特捜本部が設置された際に、新田と共に捜査を行う。新田がホテルマンに扮して、潜入捜査している間も地道に捜査を続け、貴重な情報を新田に持ってくる。

 派手さがなく、地味なキャラだけれど、とても根気よく捜査を続けていく様子が伝わってくる存在。鈍臭く見せておいて、実はかなりのきれものという設定が憎い。


[内容]

 東京都内で連続で殺人事件が起きる。最初は関連がない事件と考えられていたがいずれの事件現場にも残されていた謎の数字から連続殺人として捜査が進められる。そして第四殺人がホテルコルテシア東京で起きると断定した警察は刑事をホテルマンになりすまして、潜入捜査をする。

 フロントクラークとして潜入操作する事になった新田は、山岸の指導を受けながら容疑者の来るのを待つのだった。


[感想]

 まずは、一流ホテルに泊まってみたいと思わせる描写。ホテルのサービスの質の高さを感じさせる。

 中にはクレームをつけて部屋をグレードアップしてもらう客もいて、そんなことあるのだろうかと思う部分もあり。それでも、新田が口にするように本当にいろんな客がいるものなのだと思わせる。どこまでが作り話でどこからが本当にあったエピソードなのかと想像が膨らむ。とても奇抜な出来事も多々あって、ホテルというのはそういう場所なのかもと一人納得。

 新田と山岸、そして能勢の三人の優秀な人物が黒子に徹していたけど、実は常に事件のど真ん中にいたと言うのが面白い。山岸の何気ない一言から新田が閃き、その裏付けに能勢が動く。そしてきっちりと結果を出していく。と言うのがいいコンビネーションって思えてよかった。

 慣れないホテルマンの仕事に少しずつプライドを感じるようになっていく新田の心境の変化も、また面白い。

殺人事件だけではなく、宿泊客がもたらすエピソードひとつひとつも実に深みがあって、自分も宿泊客になった気分も味わえ、多岐に渡って楽しめる一冊でした。


読了日:20年11月26日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また明日!


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