映画『室井慎次 敗れざる者』見どころは新城に語る警察を辞めた理由！

　こんにちは、Dancing Shigekoです！

　期待していいのか？

　今回は映画『室井慎次 敗れざる者』を紹介します！

[基本情報]

　監督：本広克行

　脚本：君塚良一

　製作：亀山千広

　　　　矢延隆生

　　　　小川泰

　　　　市川南

　製作総指揮：臼井裕詞

　音楽：武部聡志

　　　　松本晃彦（シリーズ音楽）

　撮影：川越一成

　編集：岸野由佳子

　製作会社：フジテレビジョン

　　　　　　BSフジ

　　　　　　東宝

　配給：東宝

　上映時間：115分

[登場人物]

室井慎次：柳葉敏郎

　元管理官。警察を退職して秋田に住んでいる。

日向杏：福本莉子

　東京の里親とうまく行かず室井の元にやってくる。

森貴仁（タカ）：齋藤潤

　高校生。母親を殺害され、室井が里親になっている。

柳町凛久（リク）：前山くうが・前山こうが

　小学生。父親が殺人罪で服役中。室井が里親になっている。

[内容]

　室井は警察を辞めて秋田に戻っていた。子供二人の里親として静かに暮らしていた。

　ある時、家の池の向かいで異臭騒ぎ。警察に通報して調べてもらうと遺体が発見される。時同じくして、室井は小屋に少女が迷い込んでいるのを発見する。彼女は東京の里親から放り出されてきていた。

　室井は遺体発見現場の捜査が本格化する中、少女を含めた四人での生活を始めるのだった。

[感想]

　室井慎次が里親しながら隠居生活をする様子を描く作品。

・なぜ定年前に！？

　新城が秋田県警本部長として秋田に来ている。その新城が室井を呼び出す。なぜ定年前に警察を辞めたのかを聞いている。その理由を徐に話し始める室井。

　青島との約束を果たせないと分かり逃げてきたという。自分は何も変えることのできなかった負け犬なのだと言う。

　目標を胸に仕事に取り組み、その目標が達成できなかった、できないと分かった時、潔く身を引いたと考えるべきか、本人が言うように逃げてきたと捉えるべきか。目標が達成できないのに、いつまでも組織にしがみついておきたくない、と言うのが正直なところなのだろう。

　それだけの目標を持って仕事をしていたからこそ、達成できないと思った時に力尽きてしまったのかなと。それだけ仕事に対する信念があったからこそ、逃げてきたと感じているのだろうなと思う。

　自分だったらどうなのか。目標はある。そのためにどれだけ頑張ってきたのか。それを自信を持って言い切れるのか。その目標が達成できないとなった時に自分はどうするだろうか。室井さんの心境が少しばかり分かる気がした。

　なんにしても時が流れたのだなと思う。組織を変えるために頑張ってきて、達成するための時間がなくなるほどまで走り続けてきたと思うと大変だったのだろうなと思う。

・里親でありながら

　タカの母親を殺した男の弁護士がやってくる。是非とも彼からの手紙を読んで、証言台に立って欲しいとお願いしてくる。しかし室井がそれを阻止。男と面会はする。証言台には立たない。男に会って、どんな言葉をかけるのかと思ったら、惨めな存在だって知っているよと非難。

　決して相手に怯むことなく、自分の言いたいことを伝えるタカ。それを見守っていた室井。最後によく頑張ったと言う意味で、タカの頭を撫でてやろうとする室井。しかし途中で思いとどまって、後ろ姿を見守るだけにする。

　その様子が実に印象的。室井さんらしさが滲み出ている。相手の意思を尊重し、大人子供関係なしに一人の人間として、その判断・行動を見ている。と言うのが伝わってくる。里親としてタカを守る義務を感じながらも、一人の人として、認めているのが伝わってくる場面。とても印象的だった。

・元警察だからと言って

　新城が、室井の家の近くで見つかった遺体は、レインボーブリッジの事件の時の犯人で、当時のことをよく知っているから捜査協力してほしいとお願いしている。いくら元警察官でも、さすがに部外者が捜査に関わるのはダメなのではないか？と感じる。

　どうするのだろうか。新城の意見は、第一発見者は、容疑者筆頭だから、拘束することもできるという脅しまで使って、協力させるつもり。いくらなんでも強引すぎるのではなかろうか。

　続編でどこまできれいにストーリーがまとまるのか、日向杏もどうなるのか。踊るのメンバーは他にも出てくるのか。早く続きを見たいと思う作品だった。

　鑑賞日：2024年10月12日

　皆様の感想もぜひお聞かせください！

　それでは、また次回！