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小説『鳥人計画』犯人は最初から判明⁉動機と真実に迫るミステリー

  • 執筆者の写真: Dancing Shigeko
    Dancing Shigeko
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

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 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 東野圭吾作品を読み進める。


 今回は書籍『鳥人計画』を紹介します!


[基本情報]

 著者:東野圭吾

 出版社:新潮文庫

 出版年:平成六年

 ページ数:388ページ


[登場人物]

楡井

 日本ジャンプ界のホープ。何者かに毒殺される。

峰岸

 楡井のコーチ。

杉江夕子

 楡井の恋人。

杉江翔

 夕子の弟でスキージャンプの選手。徐々に実力を発揮していく。

沢井

 スキージャンプの選手。楡井に追いつくために日々精進している。

佐久間

 楡井の殺害事件について捜査する警察官。

須川

 佐久間とコンビを組む警察官。


[内容]

 日本のスキージャンプ界に鳥人が現れる。楡井は、独自の飛行スタイルで徐々に頭角を表していく。その彼が練習中に転倒し、そのまま死亡する。警察の調べで、毒殺と判明し、犯人の捜査が始まるのだった。

[感想]

 スキージャンプ選手を殺害した犯人を探す作品か

・ジャンプの世界を体験

 本作品の舞台は北海道。ジャンプの大会と大会の合間の練習の時に起きた事件。ジャンプ大会での飛行の様子が描写されていたり、ジャンプ関係者たちの生活が描かれている。自宅と宿舎と行き来していると言った生活感が伝わってくる。

 ウォームアップ飛行の結果で、スタート位置が変化するとか、ジャンプのスタイルの変遷、あるいはジャンプに携わる人の体格など、読書中はジャンプの世界を擬似体験できる描写が多かった。

 自分の知らない世界、小説の中で体験できるのは貴重と思う。


・最初から犯人が明らか

 東野圭吾作品のサスペンスものとしては、珍しく、前半で犯人が明らかになっている。犯人の心理と捜査側の視点とが交互に描かれている。前半は誰が犯人なのか、という観点で展開。犯人側はまずわかることはあるまい、と思っている。しかし一つのことがきっかけで犯人のところに警察がやってくる。署に同行させられ、取り調べが始まるものの、動機はわからずじまい。その動機を見つけるために捜査が続いていく展開。

 犯人探しを考えるというよりも、どんな動機があったのか、を一緒に見守る展開。そして当然、すんなり終わらない結末。その展開、予想できていなかったなと思う。


・勝つための取り組み

 犯人の殺害の動機を探っていく中で、ジャンプの飛行距離を伸ばすためのとあるチームの取り組みが暴露される場面がある。実はこのあたりの取り組みを大々的に取り上げたかったのではなかろうか。ジャンプで結果を残すためにも科学の力は大切で、科学的な訓練が効果的という感じで描かれている。

 その描写の中で、不快音を活用することで、行動を矯正していく、というのがあった。これは本当に可能なのだろうか。不快音を聞かなくて済むように行動を修正する。できるのかな?このあたりの描写はややSFだなとも感じた。

 ジャンプの世界に限らず、スポーツで結果を残すために、科学的な取り組みが進んでいるだろうと感じた。


 スキージャンプで世界に戦うためにはこのくらいやらないとダメなのだろうか、と思う作品だった。


 読了日:2025年9月3日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!


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