こんにちは、Dancing Shigekoです!
東野圭吾作品が続く。
今回は小説『仮面山荘殺人事件』を紹介します!
[基本情報]
著者:東野圭吾
出版社:講談社文庫
出版年:1995年
ページ数:294ページ
[登場人物]
樫間高之
本作品の主人公。森崎製薬の社長令嬢・朋美と婚約していたが、不慮の事故で朋美が亡くなってしまう。
森崎朋美
森崎製薬の社長令嬢。過去に交通事故を起こし、足を失う。その時の事故の相手が高之。
森崎伸彦
森崎製薬の社長。
森崎厚子
伸彦の妻。
森崎利明
森崎家の長男。朋美の兄。
篠雪絵
朋美の従姉妹。父は学習塾を経営。
木戸信夫
篠一正(雪絵の父)の主治医。
下条玲子
伸彦の秘書。
阿川桂子
朋美の親友で小説家。
[内容]
森崎製薬の社長令嬢・朋美と樫間高之は結婚を間近に控えていた。あと1週間に迫った時、朋美は崖から落ちて亡くなってしまう。
朋美の死から三ヶ月。森崎家の別荘に森崎一家と高之が集まった。皆で朋美の死を悼みつつも別荘での夜を楽しんでいた。阿川桂子は朋美の死に疑問を投げかけるが、伸彦はそれ以上の話をさせなかった。
その夜、台所で音がするというので見に行くと、銃を持った男がいる。別荘に集まった8人は強盗二人組の登場で、人質生活を送ることになるのだった。
[感想]
一人の女性の死を悼むつもりで集まった別荘に強盗が押し入る作品。
<別荘での休暇>
・家族で死を悼む
三ヶ月前に亡くなった朋美。彼女の死を悼んで関係者が別荘に集まる。
両親、兄、従姉妹と主治医、社長秘書と朋美の親友、そして元婚約者。
皆が別荘でゆっくりしている。チェスを楽しんだり、料理を楽しんだり。一人一部屋が割り振られていて、それぞれが自由に過ごしている。
元婚約者の両親と会うというのは、あることなのか。高之がこの場に呼ばれていることは、やや違和感。親友の阿川桂子も、この集まりの中では異質。
雪絵に執拗なまでに一方的な恋愛感情を見せている木戸といった、個性的な集まりの中で、どんなことが起きるのか、全く予想ができない序章。
・死に疑問を抱く
食事が終わって一息ついていると、朋美の死は事故死なはずがないと言う。彼女はスピード出しすぎて大きな事故を起こしているだけに車で崖から落ちるような無茶な運転をするはずがないと言う。そこで出てくる他殺説。誰もがそんなはずはないと言う。しかし自信を持って推理を展開する阿川桂子。父・伸彦はその話を快く思わず、途中で打ち切る。
どうやら、この作品は朋美の死に焦点を当てた作品であることが見えてくる。
別荘に集まった誰かが彼女を殺したのだと考え出す展開。一緒に謎解きが始まる。
・強盗が現れ一転
ところが、夜中に強盗が現れる。
仲間が来るまでしばらく居座らせてもらうと言う。そこからは強盗犯に殺されないようにするためのサバイバル要素も出てくる。
ところが退屈過ぎて、再び阿川恵子が推理を展開。と言う流れ。
人質になりながら、過去の事故のことを思い出すという不思議な構図になっていく。
・とうとう被害が出る
そんな中、一人の人物が殺される。ここで一気に事態は急転。
朋美を殺した人物とその人物を殺したのは誰なのか。と言う犯人探し要素が強くなっていく。それでいて、みんな人質になっているという。
その人質犯と命を助けてほしいという交渉をしつつ、真犯人を探そうというバランスが実に巧妙な展開。
・真実が明らかになる
そして誰が別荘で殺しをしたのかが明らかになる。
ところが、そこでは終わらない。もう少し事実が明らかになっていって、最後まで読むとまさかの結末。
この作品のタイトルの意味が理解。
後半は一気に読み進めてしまった。
<誰もが一般人>
・婚約者を亡くした高之
今回の登場人物で不思議な存在は、元婚約者と言う立場の高之。死から三ヶ月も経った後に遺族?元婚約者の家族と会うだろうか。誰がどんなふうに切り出したら、そういう展開になったのか。実に不思議。
しかし他にも親友という阿川桂子も参加していたから、まだ元婚約者の方がこの家族の中では近い存在感かもしれない。
家族の集い、どんな感じなのだろうか。
<別荘地で>
・海が見える小高い土地
その舞台は丘の上の別荘地。そこまでの道のりは山道で、くねくね道。そして崖。
別荘からはすぐそばに海なのか、湖なのかもある。
こういう別荘地を持っている家庭がある。この作品では製薬会社の社長ということだったけれど、実際にいるのだろうと思う。羨ましい。
とにかく最後の最後で明らかになる結末が衝撃の作品だった。
読了日:2023年5月15日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
Comments