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映画『人魚の眠る家』脳死と向き合えるか?

 こんにちは、Dancing Shigekoです!

 1週間ぶりに映画を鑑賞。


 今回は映画『人魚の眠る家』を紹介します!


[基本情報]

 監督;堤幸彦

 脚本:篠崎絵里子

 原作:東野圭吾『人魚の眠る家

 製作:新垣弘隆

    梶本圭

    井上潔

 製作総指揮:吉田繁暁

       臼井裕詞

 音楽:アレクシス・フレンチ

 主題歌:絢香『あいことば』

 撮影:相馬大輔

    古長真也

 編集:州崎千恵子

 制作会社:オフィスクレッシェンド

 製作会社:『人魚の眠る家』製作委員会

 配給:松竹

 上映時間:120分

[登場人物]

播磨薫子:篠原涼子

 本作品の主人公。瑞穂の母。

 やや疲れた感じが滲み出ている。

播磨和昌:西島秀俊

 ハリマテクスの社長で薫子の夫。離婚予定。

 仕事人間な感じ。

星野祐也:坂口健太郎

 ハリマテクスの研究員。被験者の体を動かす研究をしている。

 イキイキ研究をしている様子がいかにも、研究者。

川嶋真緒:川栄李奈

 星野の恋人。病院の助手。

 おとなしい存在。

播磨瑞穂:稲垣来泉

 播磨家の長女。プールで溺れてしまう。

 手の上げ方が意識のない子というのがよく出ていた。


[内容]

 播磨瑞穂がプールで溺れてしまう。救い出された時には心肺停止。病院で蘇生をしたものの、脳死が疑われる状態。母 薫子と父 和昌は臓器移植の意思を問われ、一度は同意する。しかし瑞穂に別れを告げた時に手が動き、まだ生きていると考えて、延命措置をとる事に決める。

 それから薫子による介護生活が始まるのだった。


[感想]

 娘の脳死と向き合う作品。

<目を覚ますと信じて>

・介護に勤しむ

 諦めかけていた時に手が動いて、臓器移植をキャンセル。それからというもの、薫子は一生懸命介護の仕方を学び、丁寧に瑞穂の世話をしている。そこには全く疲れを見せないイキイキさすら感じられる。

 母の子への愛情は、誰よりも深い。そう感じさせられる。

・技術の力で

 薫子の発言から、和昌もなんとかできないものか、と自社の研究内容の発表の場で知った人工横隔膜技術を取り入れたり、星野の取り組んでいる研究を瑞穂に適用して、体を動かすなどをするようになる。

 その結果、寝たきりの患者に比べて、血色も筋力も格段に差がついていると言う。

 そう言った技術の力で見た目上、ただ寝ているだけの状態にまで持っていく展開で印象的だった場面がある。それは人工呼吸器のチューブが無くなり、セーターなど頭から通す服を着させられる、と言う発言。意識したことがなかったけれど、寝たきりで人工呼吸器をつけていると着させられる服にも制限がかかるという事実。

 普通にいろんな服を着させたいと思うからこそ気づくことなのだろうけれど、治療行為が発生すると何かと制限があるものなのだと痛感してしまった。

・死んだのはいつか?

 この作品で一番印象に残る場面は何と言っても、薫子の息子が誕生日会に誰も呼んでいないと知って、薫子が怒る場面。そこから事態は悪化していき、薫子が息子をビンタ。それを見ていた和昌が薫子をビンタ。そして「瑞穂はもう死んでいるんだよ」と諭す。

 その後の展開が衝撃。ある意味、薫子の冷静さに驚き。ナイフを持って、警察に電話して、瑞穂を刺しに行く。そこで問う。「もし脳死で既に死んでいるのなら、私は罪に問われない。もし生きていると認められて殺人罪に問われるなら、喜んで受け入れる。なぜなら瑞穂が生きていた証拠になるから」と言う。

 この荒療治。効果覿面。誰もが止めに入る。さらに衝撃の告白が出てくる。

 さて、瑞穂はいつ死んだのか。脳死とは何か。理性で死を受け入れるものという事なのか。なかなか難しい課題。

<瑞穂を取り巻く人々>

・口元が笑う瑞穂を見て凍りつく和昌

 星野の研究の成果で瑞穂の顔の筋肉も動かすことができるようになっていた。生人の誕生日プレゼントを持ってきた和昌が瑞穂にもと言って、プレゼントを渡そうとする。すると薫子がちょっと待ってと言って、瑞穂に電気信号を与える。腕を上げさせて、ぬいぐるみを受け取ったら、抱きしめるように動かす。そして口元に笑顔をもたらす。

 そんな様子を見て、さすがに恐怖を感じているように見える和昌。その瞬間、何かが間違っていると感じてしまったのではないのか、そんな印象を受けた。

 薫子のことを思って、瑞穂を動かす技術を導入したものの、実際に使っている様子を見て違和感を覚える。体験してみて初めて気づくこと。世の中にはこう言った体験して分かることというのがたくさんあるのだろうと思う。

・小学校に入学した息子 生人

 幼稚園の頃は毎日、瑞穂に声がけをしていた弟 生人。ところが小学生になって、瑞穂も入学式に連れて行ったことがきっかけで周りから囁かれるようになる。死んでいるのに連れてきて気持ち悪いと。それで生人の態度が一転。瑞穂に話しかけようとしなくなってしまう。

 小学一年生にとって、脳死とはどう言う風に見えるのか。周りの目が気になるようになり、さらには避けるようになる。死んでいると平気で言える周りの子供たち。

 そう言うものなのかもしれない。非情な世界。

・従兄弟の若葉

 薫子が瑞穂にナイフを突きつけていた時。若葉が告白をする。

 瑞穂が溺れたのは自分の責任だという。その思いを2年間くらいずっと堪えていた事になる。どれだけ、苦しかった事だろうか。それを考えると、辛かっただろうなぁと思う。

 かなり衝撃の告白だったにも関わらず、結構、淡白に通り過ぎて行った印象が残ったのがやや気になってしまった。

<東京都を舞台に>

・小型ウォータースライダーのあるプール

 子供たちがプールに行く。そこでウォータースライダーを滑っている。そのスライダー、やや小さめ。東京にあるプール。としまえん?それとも市民プール。

 どの都道府県にもこういったスライダーのあるプールは標準的にあるものなのか。そのロケに使われた場所に興味。


・遊具の置かれた庭がある屋敷

 子供用の遊具がたくさん広げられている庭。それでも走り回ることができる広さを残している。かなり広い屋敷が東京のどこかにある。原作では田園調布の方だったか。

 最後、そこからどんどん映像が空高く上がっていき、東京全体が映し出される。東京タワーなどが見える。結構、都心に近かったのか。どのあたりなのだろうか。社長の家ともなると、住む世界が違うと感じてしまう。

・研究の様子が見える会社

 ハリマテクスの社内を歩いている播磨社長の様子が映し出される。研究室の外から中の様子を見ている。その部屋の作りが外からはっきりと中が見えるガラス張りのドア。壁もガラスだったか。個室だけれど、中が見える研究室。今時の会社というのは、こう言う作りのところが多いのだろうか。

 自分の働く環境とは異なる作りの会社を見るのは、ささやかな発見。

 鑑賞日:2022年10月22日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!



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