こんにちは、Dancing Shigekoです!
IMAXで映画を見るのは至福の時。
今回は映画『秒速5センチメートル』を紹介します!
[基本情報]
監督:新海誠
脚本:新海誠
原作:新海誠
製作:伊藤耕一郎
製作総指揮:川口典孝
音楽:天門
主題歌:山崎まさよし『One more time, One more chance』
撮影:新海誠
編集:新海誠
制作会社:コミックス・ウェーブ・フィルム
製作会社:新海クリエイティブ
コミックス・ウェーブ
コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:コミックス・ウェーブ・フィルム
上映時間:63分
[登場人物]
遠野貴樹:水橋研二
東京から鹿児島に引っ越す。本作品の主人公。
ややエヴァンゲリオンの碇シンジ?
篠原明里:近藤好美(第1話)/尾上綾華(第3話)
遠野と同じ小学校に通っていたが、卒業と共に栃木に引っ越す。
年齢の割にしっかりしすぎではないのか、と感じてしまう。
澄田花苗:花村怜美
種子島の高校に通う三年生。遠野に告白できず、進路も決められずにいる。
いつも待ち伏せしている根性がすごい。
[内容]
第1話:桜花抄
小6卒業。明里は栃木に引っ越してしまう。貴樹と明里は手紙で近況報告しあい、3月4日に会う約束をする。そして貴樹は学校の後に、明里の待つ栃木に向かうのだった。
第2話:コスモナウト
花苗は高校最後の年に貴樹に告白したくて仕方がなかったけれど、貴樹を前にすると何も言えないでいた。一緒に家まで歩いて帰る途中、ロケットが上がっていく。それを見上げる貴樹を見て花苗は自分の思いが叶わないことを理解するのだった。
第3話:秒速5センチメートル
貴樹は東京に戻って仕事に打ち込んでいた。もう限界と感じながら仕事をしていたある時、街中で明里を思わせる姿の女性とすれ違うのだった。
[感想]
貴樹と明里の恋の行方を描く作品。
<成就することのない想いを描く>
・彼女に会いに一人旅
まだ携帯電話がない時代。しかも中学一年生。自分だったらこの頃どうしていただろうか。会いたい人に会うために電車に乗って出かけられただろうか。手紙のやりとりが続いていたということ自体がすごい。それに加え、平日に会いに行こうというのだから、さらにすごい。なぜその日だったのだろう。学校に行った後に電車に駆け込んで、乗り継ぎを何度もして栃木に向かう。
その途中で雪が激しくなり、電車が遅延する。それまで電車が遅延することを考えていなかったという貴樹。時刻表を見て調べた乗り継ぎが計画から狂ってしまう瞬間。アプリで簡単に調べられる訳でもなく、連絡を取れる訳でもない。この状況。
待ち合わせの時間が決まっている時、電車の遅延ほど精神的に応えるものはないように思う。あまりにも無力でやり場のない怒りを感じるもの。この時の貴樹の心のうちはどんなものだったのか。その不安が非常によく伝わってくる見せ方だった。
それだけに駅に着いた時に、待合室に明里がいて、相当ホッとしたと思う。ここまでして会いに行った関係なのに。。ちょっと切ない。
・想いを伝えたいけれど
高校3年生。恋愛が気になる年頃。花苗もまた貴樹に想いを伝えたい。いつも帰り待ち伏せしていて、一緒に帰られるようにしている。そこまでしている。こういう経験をできる人、できない人色々いるわけで、貴樹はここまで想ってくれる人がいて羨ましいと思ってしまう。
同時に叶うことのない想いだと気付かされてしまった花苗の今後も気になるところ。このもどかしさ感、いかにも高校生だなぁと自分の忘れていた高校時代をかすかに思い出すきっかけになった。
・その後、どうするのか
貴樹はずっと明里のことを思っていた、ということなのか。明確な思いが描かれていたわけではないのだけれど、きっとそうなのだろう。それゆえに誰かと交際しても長続きしないのだろう。仕事に打ち込んでも、なぜか救われない感じがある。
彼の今後の人生がどうなったのか。明里とは何があったのか。中学2年生で鹿児島と栃木という絶望的な距離に阻まれて、自然と消えていってしまった思いなのか。手紙も続かなかったってことなのだろう。
そこまでの存在。大人になって会いにいこう、とはならなかったのだろう。
その結末が、あまりにも切なかった。
<その時々で変化している人々>
・大人と感じる6年生の明里
最初登場する場面は桜の花びらが散る季節。3月末だろうか。ランドセルをした男女が現れる。桜の花びらが落ちる速度は秒速5センチメートルなのだという明里。タイトルの意味がここで分かる。そしていきなり別れが待っている二人。
このやりとりがあまりにも大人びていて、やや大人視点で描かれている小学生って感じてしまう。実際の6年生がここまでしっかりしているだろうか。うちの娘はどうだっただろうか。そんな思いが湧いてくる人物像だった。
・サーフィンにチャレンジする花苗
高校生でサーフィン。この感覚も新しい。自分が高校の頃は海に行くこと自体が少ない。サーフィンをしようという好奇心がなかった。社会人になってからウィンドサーフィンに挑戦しようとした時があったけれど、訳あって断念したのが思い出される。
なかなか思うようにボードに乗れない、波に乗れない。しかし、最後には上手に風を掴んで波の上を疾走していくまでになる。さすが高校生、飲み込みが早いと感じてしまう。
ほんのり日焼けもしていて、高校生らしいというか。悩みながらも前に進んでいる様子が良かった。
・貴樹の心のうち
この作品の主人公は貴樹なのだろう。転校してきた明里と仲良くなり、そして去っていく。しばらくは手紙で繋がっていたけれど、やがて縁遠くなってしまう。携帯電話が出てきてメールが手軽に送れるようになったものの、今更、何を話すのか、と思っている気配がある。結局、送れずに終わっている。
やがて社会人になって東京に戻っている。プログラマーのような仕事をテキパキとこなしている様子が描かれる。
そう言った一連の生活において、貴樹はどんなことを考えていたのだろうか。もう会えない明里のことを思い続けていたのか。種子島に行く頃には遠い存在になってしまっていたのがメールを送れるようになって。考えてみるとメールアドレスを知っているということは、一度は連絡を取り合ったのだろう。
貴樹が最終的にどうなったのか、ただそればかりが気になる結末だった。
<北に南に>
・栃木の岩舟駅
貴樹が栃木に引っ越した明里に会いに岩舟駅まで向かう。小山で乗り換えて向かうその駅は、実在するのだろうか。という思いがまずは浮かぶ。そこまでの地名が実際にありそう、と思うと岩舟駅もありそうと思い始める。
では、実際にあると思って鑑賞していると、のどかな街。雪が降っていたから、全体のイメージは掴みきれないものの、桜の木がぽつんと一本立っているあたりから、かなりゆっくりと時間が流れそうな場所に見えた。3月に大雪降る場所なのかな。天気予報に注目してしまいそう。
・種子島の高校
高校生になった貴樹。生徒たちの会話の中で、そこが島であることが分かる。種子島っぽいと思っていたら、貴樹が買うコーヒー牛乳に種子島と書かれている。さらにロケットが打ち上げられる場面がある。やはり種子島だったか、と理解。
この辺りの高校生はみんな原付に乗っているのか、というのが、ささやかな発見だった。
・東京に戻って
貴樹が東京で仕事をしている。後ろに東京タワーが見えるということは浜松町あたりが通勤路、ないし生活圏にありそう。東京タワーが見えるような場所だったら、緑が少なさそうなイメージがあるけれど、踏切のある線路の周りには緑が多かった印象。
また小学生の頃に通っていた小学校の周りにも桜の木。小学校の周りは都道府県問わず桜が多いイメージ。
アニメだけれど、実際に存在する土地をベースにしていそうなところが親近感。東京のどの辺りだったのだろう、と想像。中学生の頃は新宿を経由していたから、西の方に住んでいる感じだろうか。知っている人が見たら、すぐにわかる場所だったのかもしれない。
苦くて切ない想いが残る作品だった。
鑑賞日:2022年9月30日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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