こんにちは、Dancing Shigekoです!
津田梅子に続いて、読んでみた。→参考
今回は漫画『野口英世 -感染症とたたかった医学者-』を紹介します!
[基本情報]
監修:公益財団法人野口英世記念会
カバー・表紙:オズノユミ
まんが作画:白井三二郎
出版社:株式会社KADOKAWA
出版年:2022年
ページ数:159ページ
[登場人物]
野口英世(清作)
病原菌を見つけるためなら寝ずに顕微鏡をずっと眺め続ける努力家。
サイモン・フレキスナー
ペンシルヴァニア大学の博士。英世に仕事を与える。
血脇守之助
東京の歯科医。英世が医術開業試験を受けるため金銭面などを工面。
渡部鼎
清作の左手を手術した医師。英世を書生として住ませる。
小林栄
清作に進学を進めた教師。
[内容]
清作は2歳の時に左手をいおりで火傷して開かなくなってしまった。そのハンデを補うために母親シカは、清作に勉学の道を切り開く。貧しい家庭だったが、清作が農業ではなく勉学に励めるようにシカは必死に働き、清作を支えた。
清作は常に本を読み進めて、その熱心さで高成績を残し、さらに勉学の道に進んでいく。自分の左手の手術をしてくれた先生の影響で医学の道に進むと決める。
医療開業試験に合格後、アメリカに留学して、病原菌を見つけるための研究を始める。そして梅毒の培養に成功し、学会に名を知らせることになるのだった。
[感想]
努力の男・野口英世の人生を描く一冊。
・ハンデを追ったために進んだ道
野口英世の努力をする性格が最終的には、成果に繋がったのは事実。
しかし、左手を火傷して開かなくなってしまった時に、母 シカが勉強の道に進ませる、と決心し、そのためにありとあらゆる支えをしてきたことが大きかったのだと思う。もし、左手を負傷させてしまったことに、母親がただただ嘆くだけの人物だったなら、この成果は出なかった。そう思う。そこで農業は難しくなるから、と判断したのが大きな分岐点だったと思う。
親の選択というのは、大きい。自分は子供たちの可能性を潰してはいないだろうか、と責任を感じてしまう。
・意外とお金に無頓着
家庭が貧しく、何かをしようとするたびにお金に苦労してきた英世。それでもお金に対する感覚が無頓着なのが驚き。東京に出てきて誘惑に負けてないお金を使い切ってしまったり、一番の驚きだったのは、アメリカに留学するためにお金を調達してもらったにも関わらず、自分の送別会の時の費用で全額使ってしまった(本当かどうかは不明だけれど)という話には、さすがに疑いを感じずにはいられない。
それでも彼のために尽力をした、血脇守之助は、実は影の主役だと感じる。野口英世が結果を残せたのは、陰で支えてくれた人たちが多かったことを意味しているのかもしれない。
・努力の結果
寝る時間を惜しんで、顕微鏡を覗き込み続けた英世。もちろんそれだけではなく、いろんな文献も読み漁り、海外の原書を読めるように英語、ドイツ語、フランス語など語学にも力を入れていたのがすごい。
英世が少しずつ成果を出すきっかけになったのも英語が分かるということもあったし、語学というのはいつの時代でも武器になるのではないか、と感じる。これからの時代は同時翻訳ツールが作られていくのかもしれないけれど、そういったツールなしにコミュニケーションができることは大きいと思う。
そして、寝る時間も惜しんでの努力。「人 寸陰を惜しまば われ分陰を惜しまんー」(他人がちょっとした時間を惜しんで努力するのであれば私はさらにわずかな時間も惜しんで努力しよう)という言葉を残したとか。時間を大事にする意識の高さ、結果を追い求める姿勢は、刺激になる生き方と痛感。
自分にできることと言えば、まずは時間意識をより高めていくことと感じる一冊だった。
読了日:2023年9月3日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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