Dancing Shigeko
映画『モンスターハンター』モンスターは銃に動じない硬さを持つ
更新日:2021年9月20日

こんにちは、Dancing Shigekoです!
今日は映画『モンスターハンター』を紹介します!
※ネタバレがあります。ご注意ください。
[基本情報]
監督:ポール・W・S・アンダーソン
原作:「モンスターハンター」(カプコン)
製作:コンスタンティン・フィルム/テンセント・ピクチャーズ/東宝
配給:東宝/東和ピクチャーズ
製作年:2020年
上映時間:104分
[登場人物]
アルテミス:ミラ・ジョボビッチ
A班を率いる大尉。根っからのレンジャーで弱音を吐く隊員に戦うよう導く。失踪したB班調査を進める。
バイオハザードのアリスとは、雰囲気が異なり、人間味を感じさせる。どんなになぎ倒されても、激しく吹き飛ばされても、立ち上がるタフさは相変わらず?
ハンター:トニー・ジャー
新世界でモンスターを狩るハンター。仲間の船から落ち、孤立していたところに、迷い込んできたアルテミスらを遠くから様子を見ながら、ディアブロスを倒す機会を窺う。
英語ではない新世界の言語を話す様子が愛嬌たっぷり。チョコレートを食べた時にがっつき方は特にお茶目。それでいて格闘術が長けているギャップが面白い。
大団長:ロン・パールマン
新世界で調査団を率いる。別世界から来たアルテミスと英語で意思疎通が図ることができる。
見た目は悪者。しかし単に団を率いる風格だと分かると、観ていて心強い存在。
[内容]
失踪したB班を探しに調査に出たA班。痕跡を見つけ、詳細を調べていると嵐に飲み込まれ、謎の新世界へと紛れ込んでしまう。
アルテミスらは未知のモンスター(ディアブロス)に遭遇し、必死に応戦。砂漠から洞窟へと逃げ込むが、そこではクモのようなモンスター(ネルスキュラ)が待ち受けていた。隊員は大量に発生するクモに捕まり全滅したかに見えたが、アルテミスだけが生き延びる。
命からがらクモの巣食う洞窟から脱出すると、次に待っていたのは人間。負傷しながらも、その男ハンターに反撃するが、ついには拘束されてしまう。
ハンターの根城で拘束されていたアルテミスは隙を見て、ハンターに奇襲をかけて立場を逆転するが、ハンターは再び攻撃。
揉み合っていた拍子にハンターがネルスキュラの巣窟に落ちたのを救い出したのがきっかけでアルテミスとハンターは協力し合うようになる。
ハンターは砂漠の向こうに見えている嵐のところを目指すという。そのためにディアブロスを倒すためにアルテミスと準備を進める。そして作戦決行。決戦の末、砂漠を突破し、嵐の麓のオアシスに到着。草食モンスター(アプケロス)が憩っていたが、突如火だるまのアプケロスが逃げ惑い始める。炎を吐くモンスター リオレウスが襲ってきていたのだった。
アルテミスとハンターはアプケロスとともに逃げていくと、ハンターの所属する調査団に救出される。
大団長は嵐のもたらす別世界とのリンクの謎を解明し、終わらせないといけないと言い、その調査をするためにはリオレウスを倒す必要があると言う。アルテミスがリオレウスを倒す協力をするならば、元の世界に戻す協力をすると取引を持ちかけアルテミスは戦いに協力する。
そして嵐の中、調査団一員とアルテミスはリオレウスと死闘を始めるのだった。
[感想]
久々の公開日初日の映画鑑賞です!今回はリード文をつけて、感想をまとめてみたいと思います。
未知なる世界での全滅劇
B班捜索に向かうA班。たいして難しくない任務だと感じている気配を全面に出して移動する隊員たち。その気の緩みをしっかりと引き締めるアルテミス。縦割り組織はいかにリーダーが引っ張るか、そんな大切さを思わせる序盤。状況を判断して、明確な指示を出していく姿は見習いたいところ。それに決して弱音を吐かず鼓舞する姿は刺激になる。レンジャーは戦うものだと力強く宣言できる自信は、ぜひとも私自信見身につけていきたい部分と学びが多かった。
アルテミスが死ぬことはないのは、明白だったのでモンスターが現れて倒れた時も立ち上がるのだと思いながら、見ていると予想通りに復活。そして復活したと思ったら、再びモンスターに捕獲されてしまう。
この頃には隊員が全滅に近い状態になってしまっている。まゆのようなものに包まれていたアルテミスは、突き破って再び復活。だいぶ満身創痍なのは伝わってくるものの、他のメンバーはまゆの中で息絶えているのに比べたら、不思議なくらいの生命力と感じてしまう。死なないのは分かっていても、その生命力はやりすぎなのではって突っ込みたくなってしまう。
そして予想はしていたものの、七人くらいいた隊員は、その最初の遭遇で早くも全滅に追い込まれてしまうのだから、容赦ない序盤と感じてしまいました。
敵はモンスターのみならず
いざネルスキュラの巣から逃れて待っていたのがハンター。ハンターはてっきりアルテミスらを守っているのかって思っていただけに意外な展開。いきなりアルテミスに襲いかかっていくのだから、この部分は予想外。
そのハンターの素早い攻撃に手負いのアルテミスも対等に渡り合っているのだから、すごい。なかなかのスピード感で攻撃し合っている様子は、どっちがその場を収めるのかを見守ってしまう緊張感がありました。
ハンターがアルテミスらを見つけた序盤の動きはディアブロスを倒そうとしている、アルテミスらを助けようとしている存在に見えたのに、アルテミスが巣から出てくるなり、本気で襲いかかっていくのだから、人というのは怖いものだと感じました。
チョコは万人を結ぶ、そして言葉を超える
そんな二人の格闘に終始を打つきっかけはネルスキュラの巣からハンターを救い出したこと。さらにチョコをあげたことで一気に親交を深めていく。何語を話しているのか分からないハンターと、なぜかコミュニケーションが取れるアルテミスの理解力はすごいの一言。
同じ目的を達成するために、訓練に付き合うハンター。作戦達成のために、餌にされるアルテミス。この二人の関係の変化が、実はこの映画で伝えたいことだったのでは、と思う。言葉通じなくても、相手を認め合うことができて、ともに同じ目標に向かっていくことができるのだと訴えているように思える。
固く結ばれた絆が呼び戻す
関係が築き上げられた二人を待ち受けるディアブロスの攻撃。激しく吹っ飛ばされて意識を失うハンターをずっと引っ張っていくアルテミスのパワーに驚かされながら、動向を見守っていると、ハンターが夢の中で妻と子供に呼ばれているのだから、あれは生と死の境界線を彷徨っていたと言うことなのだと、後から理解。同時にその姿を見たからハンターは復活できたのだと思ってしまいました。
束の間の休息、迫り来る大群
オアシスにつき、草食モンスターしかいないと思ったら、湖の中から食いついてくるモンスターが登場。アルテミスに対して、餌って笑いながら話しかけるハンター。結構、ハンターって悪戯っ子だって思ってしまう場面。
肉を美味しそうに食べていると、それもチョコレート、全ての食べ物をチョコレートって言い出すから、今度はハンターの存在はコメディなのかって感じてしまう。
それにしてもここまで、ハンターとアルテミスの二人だけしか登場しないあたり、なぜかキャストアウェイを連想していました。
そんなゆっくりとしている二人に突如、雪崩の如く走り抜けていくアプケロス。それを追いかけているであろうリオレウス。そしてここで救出に現れる調査団。もっと調査団の存在感を上げてもいいように思うのだけれど、最後まで存在感が薄かった印象なのは残念な部分かもしれません。
ラスボスはあっちでもこっちでも
嵐の中の門番 リオレウスとの対決。最初は静かに空を飛んで姿を隠している。いつ仕掛けてくるのかと、緊張が走る。映画を観ていて、どきっとさせられるのは、個人的には負けた感じがするので、身構えてみてしまう。しかし、いきなり燃え上がるからやや汗。誰が燃えたのかは分からなかったけれど、調査団のメンバーはこの映画の中ではやや扱いが淡白な感じに思える。
炎を吐く直前が弱点と言われ、アルテミスを始め、全員が一気に攻撃を仕掛けていく。こんなに連続攻撃を加えたら、勝てるように見えるのに、なかなか倒れないリオレウス。さすがラスボスと感心しながら見てしまう。それにしてもリオレウスではなく、サラマンダーの間違いではないか、と思ってしまう。モンスターの世界でもかぶる存在がいるのだから興味深い。
そしてアルテミスがリオレウスの炎から逃れるために崖を飛び降りると、雷が作り出した空間の歪みから元の世界に戻ると言うあっけない結末。戻ってきた世界では、A班を探しにきていた捜索隊、すぐさまアルテミスを回収するのだから、いよいよこれでおしまい?って思いそうになる。もちろん、本心はそう思っていないのだけれど、何か拍子抜け感があるって思っていたら、予想通りにリオレウスがこちらの世界にやってくる。そして次々と捜索隊の攻撃を殲滅。こんなにサブの登場人物が瞬殺される映画も珍しいと感じずにはいられない。
最後は、ハンターと大団長、そしてアルテミスの三者の連携攻撃で見事に勝利を収めるのだけれど、次のリオレウスが現れるわ、塔の上から様子を見ているフードの人物がいるわで、明らかに続編を作るつもりなのが見え見えの終わり方。全体的にハンターとアルテミスの関係が清々しかったので、続編があるなら、その辺りと、今度はどんなモンスターが出てくるのだろうかなと言う部分が興味の対象でしょうか。
ディアブロスもリオレウスも、色が土色で恐竜をベースとした見た目なためか、同じように見えてしまう部分はあるものの、全体的にテンポよく話が進み、飽きることなく見られる作品でした。
鑑賞日:21年3月26日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また明日!