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映画『フローズン・グラウンド』 現実は酷い

  • 執筆者の写真: Dancing Shigeko
    Dancing Shigeko
  • 2021年8月26日
  • 読了時間: 5分

更新日:2024年9月19日


 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 高校野球はベスト4が出揃いました。近畿勢4チームになりました。優勝はどのチームに?


 さて、今回はニコラス・ケイジ出演映画『フローズン・グラウンド』を紹介します!

[基本情報]

 監督・脚本:スコット・ウォーカー

 製作:マーク・オーデスキー / ジェーン・フレミング / ランドール・エメット / 50セント

   レミントン・チェイス / ジェフ・ライス

 配給:ライオンズゲート

 製作年:2013年

 上映時間:105分

[登場人物]

ジャック・ハルコム:ニコラス・ケイジ

 アラスカ州警察の刑事。二週間後に仕事を辞めて、石油会社に転職する予定だったが、連続殺人と考えられる死体が見つかり、捜査を担当する。

 シンディが人間不信になっていて、人を信じたいという想いに対して、優しく信じて大丈夫だと答えた時の声の調子がとても印象的だった。

ロバート・ハンセン:ジョン・キューザック

 妻子のいる善良な市民。狩りが趣味。

 平然と嘘をつく様子が憎々しかった。

シンディ・ポールソン:ヴァネッサ・ハジェンズ

 未成年の娼婦。ハンセンにレイプされたとアラスカ市警察に訴えるが取り合ってもらえない。しかしハルコムが捜査の乗り出し、彼女を保護する。

[内容]

 シンディは警察でレイプを訴えていたが聞き入れられなかった。

 その頃、アラスカでは若い女性の失踪が多発していた。そして、また一人女性の死体が見つかる。捜査はアラスカ州警察のハルコムが指揮を執った。シンディを襲ったハンセンが容疑者として挙がるが決定的な証拠を見つけられずにいた。それでもハルコムは諦めず、家宅捜索の許可を得る。またシンディが再びハンセンに狙われるかもしれないと考え、彼女の保護も進めていた。

 ハンセン宅から犯行に使われたものと同じ口径の銃を見つけ、ハンセンの逮捕に踏み切る。取り調べを巧妙に交わしていた、シンディが取調室で証言をして、ボロを出すのだった。

[感想]

 アラスカで実際にあった女性の連続失踪事件を基にした作品。

・世の中に潜む人間の闇を見た思い

 この映画の内容が実際にあった事件だというのが衝撃。犯人がなぜこのようなことをしたのか、考えてもきっと私には理解ができない。劇中、実際に一人犠牲になる場面があった。その場面を見る限り、犯人は逃げていく人間を狩るのを楽しんでいる感じに見えた。人間を、トナカイなどと同じ感じで見ているのだろうと感じられた。単に狩りが好きだから、殺す。そんな風に見えたのが怖い。

 さらに殺す前には一週間ほど自宅に監禁して、レイプしてから僻地に連れて行って殺すのだから、残虐非道と感じずにはいられない。何が彼をそうしてしまったのか。普段普通に仕事をして、気が向いた時に女性を狩る、そんな生活を送るという様子は、怖い以外の何物でもなかった。

 こう言った人物が増えないことを願うのみ。

・事件を解決させたいという強い思い

 ハルコムは二週間後に引っ越しと転職が決まっていた。それにも関わらず、雪原で死体が見つかり殺人事件だとわかってからは、解決したいという強い思いが伝わってくる。転職のためのサインをしないといけないにも関わらず、妻から言われても口先だけで行動が伴っていない流れなどは、今この状況で転職している場合ではないという責任感が見えた。

 さらにシンディを保護しようと考えて、家に泊めさせようとする。妻の猛烈な反対を受けても説得を試みる。最終的にはシンディがその声を漏れ聞いて、自ら出て行ってしまうのだけれど、その後に彼女を見つけてホテルに泊めさせた時の安堵感が滲み出ている表情からも、これ以上犠牲者を増やさないという強い意志を感じられた。

 その彼はこの事件を解決後、結局、アラスカ州警察に残ったという。そこには妻の理解があったのだというのも併せて感じた。引っ越し間近で、事件の関係者を保護している場合ではないとすごい剣幕で反対していたにも関わらず、その後はハルコムに、納得いくまで残っていて大丈夫、私もこちらで仕事見つけることはいくらでも出来ると夫の仕事を見守る。その姿勢があったから、事件が解決できたようにも思う。そういう意味では、この事件の真の功労者はハルコムの妻だったのではないか、とまで感じずにはいられなかった。安心して仕事を続けるためには家族の理解が必要。その鏡に感じる人間関係だった。


・アラスカが舞台の映画

 雪の世界、氷の世界が舞台の映画。遊星からの物体Xのような南極を思い出す部分もあるけれど、街が栄えているのはさすがアラスカ。南極とは違う。ただの雪国ではないと感じる。

 かなり幅のある川が完全に凍っている場面があり、いかに寒いかが見てとれた。そんな中で娼婦たちが客引きをしている姿を見ると、純粋に寒くないのだろうかって感じてしまう。コートの内側はきっと薄着なのだろうと思うと、寒そうって感じる方が強かった。

 そして気になったのは、シンディが逃げている時に見かけたトナカイ。あれは幻想だったのか、実際に見たものだったのか。何かシンディの心のうちを表した場面だったのでは、と感じてしまった。ただ幻想でも現実でも、こういう街中に出てくるのがトナカイというあたりにアラスカなのだと思わせるものがあった。


 鑑賞日:2021年8月25日

 皆様の感想もぜひお聞かせください!

 それでは、また次回!


 
 
 

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