こんにちは、Dancing Shigekoです!
台風の風が強かったです。近所の宅配ボックスが転がってきたのには驚きました。
さて、今回はニコラス・ケイジ主演映画『トカレフ』を紹介します!
[基本情報]
監督:パコ・カベサス
製作:リシャール・リオンダ・デル・カストロ / マイケル・メンデルソーン
製作総指揮:パトリシア・エバリー / ヘイリー・マグワーク・アラビア / キャム・キャノン
製作年:2014年
配給:イメージ・エンターテイメント
上映時間:98分
[登場人物]
ポール・マグワイア:ニコラス・ケイジ
元ギャングで今はカタギのビジネスマン。
ロシアマフィアの運転手を追い詰めて、話を聞き出そうとしていた時の発狂っぷりは、ニコラス・ケイジ特有の動きって感じがした。どの作品でも見られるお約束の演技と思ってしまった。
ヴァネッサ・マグワイア:レイチェル・ニコラス
ポールの妻。ポールの前妻の子ケイトリンと3人で暮らしている。
ケイン:マックス・ライアン
ポールの古くからの付き合い。
ダニー:マイケル・マグレイディ
ポールの古くからの付き合い。
ジョン刑事:ダニー・グローバー
ポールの過去を知りながらも、現在ビジネスマンとして生きる彼を見守る刑事。
最後、ジョン刑事は階段の下で何を考えていたのだろうか。その様子がとても印象的。
[内容]
ポールはビジネスマンとして平穏な生活を送っていた。娘のケイトリンを迎えに行ったり、市長の補佐として演説に立ち会ったり、また付き合いを広げるために食事に出かけていた。そんな時、ジョン刑事がやってきた。ケイトリンが誘拐されたと言う。
ポールは、昔からの付き合いのケイン、ダニーと協力して犯人探しに動き出すが手掛かりが掴めずにいた。やがて警察からケイトリンが見つかったと連絡があり、ポールは彼女の遺体を確認する。
復讐を誓ったポールだったが、彼をカタギに戻す手助けをしてくれたオコネルからは大人しくしておくように念を押される。しかし忠告を聞かず、使われた銃がトカレフT33だったことから過去の事件に関わりがあると考えて、ケインとダニーの3人でロシア・マフィアのチェルノフの手下を次々と殺害していく。
その動きを知ったチェルノフはケインを拘束して、なぜそのようなことをするか問い質す。ケインが襲われている時に連絡が取れなかったダニーが情報を漏らしたと考えたポールは、ダニーを始末する。
しかし真相は全く別のところにあり、事実を知ったポールは潔く、チェルノフの部下の手にかかるのだった。
[感想]
娘を助け出すためにカタギを諦める男の末路を描いた作品。
・娘を過度に気に掛けるポールを襲う悪夢
高校生の娘を迎えに行くほど、仲が良い親子。どうやらケイトリンの母は乳がんで命を落としていて、それ以来、ポールは真っ当な人生を送って娘を育ててきたから、と言う事らしかった。そう考えると、その関係は納得。そんな彼にケイトリンが誘拐されたと言う知らせが届く。さらに悪いことに死体となって見つかる。その苦しみは想像を絶するものなのだと思う。
ケイトリンのところに遊びにきていた男子学生には、自分の妻がガラの悪い奴らに絡まれた時、体を張って守ったと話す。そしてその学生にもケイトリンを身代わりになってでも守って欲しかったと言う。男は女性を守る者と言う考えを相手に見せる。その男子学生には、ポールは期待している様子を前半で見せていただけに、きっと失望したと言う感じだったのが見て取れた。男と見込んでケイトリンとのデートを認めようとしていたにもかかわらずって感じだった。
ケイトリンが亡くなって、復讐を誓うポール。ジョン刑事が、自分の息子が事故に遭ったときの話をする。その時、事故を起こした犯人に復讐しようって考えたと語る。しかし結局、復讐せず病院に戻って、息子が助かったと言う話をして思い止まらせようとするのだけれど、ポールは、あなたの息子は死んでいないって言う。もう戻る気はないのを感じさせる。
自分の娘が殺されたら、そして過去にギャングとして人殺しをした経験があったとしたら、自らの手で犯人を裁きたいって思うのかもしれない、と勝手に共感してしまった。
・どうしても信用できない感じの周りの人たち
ポールを助けると言って、力を貸そうとするケインとダニー。しかしこの二人見るからに悪党。なんでもするぜって言っている表情がどこか含みがあるように見えてしまうのだから不思議。さらにオコネルもポールに復讐はするな、あとは警察に任せておけと説得を試みる。復讐しても何も変わらない、悲しみを受け入れろとポールを宥めようとしている。その発言もまた、なぜか嘘っぽく見えてしまうのだから不思議。
人を見かけで判断してはいけないとは思うものの、この3人はどう頑張ってみても信用できない感じのガラだった。それだけに、ケインがチェルノフに捕まって拷問されていた時の様子は意外。仲間を簡単に売ることはしないと言う信念が感じられる場面だった。
そして、彼らが信用できないと感じていたのは私だけではなく、ポールもそうだったのかなと思う場面があった。それは、ケインがロシア・マフィアの襲撃に遭っている時に連絡が取れなかったダニーとポールとのやりとり。お前が情報を漏らしたのだろうと決めてかかっている辺り、やっぱりポールもダニーを信用していなかったのかなと感じてしまった。それにしても、だからって刺してはダメなのではとポールを宥めたくなってしまう。
とにかく出てくる人、みんなが悪党に見えるのだから不思議な映画。
・多くの犠牲を払って果たそうとした復讐の末路
ロシア・マフィアを敵に回して、ケイトリンを殺した犯人を見つけ出そうとするポール。しかし、彼らの反応を見ているうちに違うのではないかと感じたポールは、真犯人が違うことに気づく。完全に濡れ衣だったと言う展開は意外。あんなにもたくさんの人を殺してしまっていたのに、濡れ衣だったとは、あまりにも犠牲が大き過ぎる。
そんな暴走をすることになってしまったのは、過去のやましい思いがあったから。トカレフが凶器だったと知って、そこと結びつくのは過去のその強奪だけと思わせて見せる映画の作りも興味深い。地味にどんでん返しを狙った作品だったのだと感じる。それにしても、あまりにも多くの犠牲を払ったと思うし、当事者のポールは、真犯人を知った時、ロシア・マフィアたちに対してどう感じたのだろうか。カタギの道を守っておけばよかったと思っていたのだろうか。気になってしまう。
娘の復讐のために、あまりにも多くの犠牲を出した作品でした。
鑑賞日:2021年8月9日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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