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映画『護られなかった者たちへ』震災は全てを変えた



 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 今日はとても気持ちいい秋晴れです。連休の中日、公園などでゆっくりするのも良さそうです。

 今回は先日試写会に行ってきた佐藤健、阿部寛出演映画『護られなかった者たちへ』を紹介します!


[基本情報]

 監督・脚本:瀬々敬久

 脚本:林民夫

 原作:中山七里『護られなかった者たちへ』

 主題歌:桑田佳祐『月光の聖者達』

 製作年:2021年

 配給:松竹

 上映時間:134分


[登場人物]

利根泰久:佐藤健

 東日本大震災で被災し、仕事を失う。避難所で知り合った「かんちゃん」と「けいさん」と行動を共にするようになる。やがて宇都宮に就職しに出ていく。

笘篠誠一郎:阿部寛

 宮城県警捜査一課の刑事。震災で妻と息子を失う。息子の腕時計を使っている。三雲の事件捜査を進める。

円山幹子(かんちゃん):清原果耶

 仙台市若葉区保健センターの生活支援担当。本当に生活保護を受けるべき人が受給できるように働きかけし、逆に受給資格のないものに厳しく、返済を求めにいく。被災した時に、利根とけいと知り合う。

蓮田智彦:林遣都

 宮城県警捜査一課の刑事。笘篠とコンビを組むが、彼の捜査方法を嫌っている。


遠島けい:倍賞美津子

 被災した時の避難所で利根、かんちゃんと知り合う。以後、一緒に避難生活を送る。


[内容]

 仙台市で三雲忠勝の変死体が見つかる。捜査班に入った笘篠は蓮田とコンビを組んで、聞き込みを開始する。三雲の働いていた若葉区保健福祉センターで所長から円山を紹介され、以後、円山から話を聞いていく。

 捜査に進展がないまま、第二の殺人事件が起きる。被害にあった城之内は、一時期、三雲と同じ杜浦市の福祉保健所で働いていたことが発覚する。

 二人の関係を調べていくと、生活保護の申請関係で、利根が捜査線上に出て来る。利根は避難所生活の時に自分に暖かく接してくれた遠島けいの申請で立ち会っていた。

 利根を容疑者として捜査を進め、逮捕するのだったが。。


[感想]

震災による変化と、生活困窮者の実態が殺人事件をきっかけに浮き彫りになっていく作品。

・生活保護の課題が浮き彫りになる

 いくつか印象的な場面があった。

 まずは円山がレジのバイトを始めた女性宅に訪れた時の発言。「私たちには子供を塾に入れることすらダメというのですか?」と言ったあの言葉、グサッと刺さる。一度、国の援助を受けた人は、子供の未来まで我慢しないといけないのか、と問われているその場面。非常に重たい。

 続いて、円山に問いかけるチームの一言。「この仕事に意味ってあるんですかね?」心から溢れでた言葉。生活支援を必要としている人がされず、不正受給などが目立つということがその言葉の裏にあったのか。生活支援をしても報われないという現実があったのか。できることは限られているという思いから出た言葉だと思うと、これもまた重い一言だった。

 そして、生活困窮者が「国の世話にはなりたくない」という事実。その気持ちは分かるようにも思う。どんなに苦しくても、国の面倒にはなりたくないというのは、意地みたいなものが働いてしまいそう。

 一方、生活支援の手続きをする側の対応は、本当は支援必要ないのでは?と思って接している感じが見えたのが残念。実際は円山のように親身になって対応している人もいるのだろうけれど、犠牲になった三雲の対応などはひどいものだと感じた。あまりにもいろんな人が申し込みに来るから、だんだん人を信じられなくなってしまったということか。人を信じられなくなってしまったら、その仕事を続けるのも疑問になってくるのだろうと想像する。

 どういう制度だったら活用しやすいのか。支援と思わせない支援制度があったら良いのだろうか。日本が抱える問題を垣間見た。自分の知らない部分でいろんな問題を抱えているのだと気付かされる内容だった。

・利根の感情、笘篠の思い

 終始無表情の印象が強かった利根。あまりにも無表情過ぎて、けいさんに親切にされたことをどう思っているのか分からなかった。それだけに彼が一時帰郷した時にけいに対して、「あんたは俺やかんちゃんにとって本当の母親みたいな存在なんだよ、だから生きててほしいんだよ」と言った時は正直意外だった。あまり心を寄せているように見えなかっただけに、この発言は驚き。同時に、それだけ震災によって気持ちを内側に秘めるようになってしまったのだと感じる。

 一方で笘篠。震災の日に妻を探しに行き、そこでかんちゃんに会っている。しかし9年後、利根から震災の日の話を聞かされても、繋がっていかなった部分が意外。それだけ強く黄色ジャケットを着た息子のことを思っていて、その日に黄色いジャケットを着た同い年くらいの少女を見かけたら、結構印象に残るだろうにと想像する。その全く気付かない様子を見ていると、震災の時はみんな冷静ではなかった、それだけ心に暗いものを落としたのだと感じた。

 改めて震災がもたらした変化の大きさを感じた。

・仙台市が舞台の作品

 地名は仙台市若葉区となっているけれど、青葉区か若林区のどちらかなのだろうと思いながら鑑賞。学生の頃に仙台に住んでいた私にとっては、自分の知っている場所が出てこないだろうかという興味を持ちながら見ていた。

 利根がボートに乗っていた場面、松島だなぁと思いながら鑑賞。

 また円山が病院に急ぐ時の場面、仙台駅前が映っていて印象的。だいぶ自分の知っている頃とは違う。考えてみると震災後の仙台には行ったことがないだけに、今はだいぶ違うのだろうと思った。

 海岸沿いの工事をしている様子、今は津波の瓦礫の処分が終わって、再開発が進んでいるのだと感じさせる。昔のようにはならないにしても、再開発が進んで、少しでも当時の傷が癒されてくれたらと願う場面だった。


 誰が殺したか、ということよりもその殺人の背景にある重たい現実を知って、自分には何ができるだろうかと考えさせられる映画だった。


鑑賞日:2021年9月16日

 皆様の感想もぜひお聞かせください!

 それでは、また次回!



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