こんにちは、Dancing Shigekoです!
予定を変更して今回はニコラス・ケイジ主演作品 映画『月の輝く夜に』を紹介します!
[基本情報]
原題:Moonstruck
監督:ノーマン・ジュイソン
脚本:ジョン・パトリック・シャンリィ
製作:ノーマン・ジュイソン / パトリック・パーマー
製作会社:メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
配給:MGM/UA Communications Co.
上映時間:102分
[登場人物]
ロレッタ:シェール
37歳でバツイチの女性。ジョニーから結婚を申し込まれ、了承する。
なんと言っても、あのパーマのかかった爆発ヘアが印象的。
ロニー:ニコラス・ケイジ
パン屋で働く、ジョニーの弟。左手を失ったのはジョニーのせいだと考え、5年前から疎遠になっている。
若かりし頃のニコラス・ケイジ。青い目が印象的。
ジョニー:ダニー・アイエロ
ロレッタにプロポーズする。しかし、シチリア島にいる危篤の母親を看取るまでは結婚式をあげられないと言って旅立っていく。
プロポーズする割には、指輪を準備していないあたりに、ちょっと本気度が不足しているように感じてしまった。
ローズ:オリンピア・デュカキス
ロレッタの母。夫の浮気を気にしている。
悩んでいる感じの表情が印象的で、とても感情が伝わってきた。調べてみるとアカデミー助演女優賞を受賞していたことを知り、納得。
[内容]
ロレッタはある晩、恋人のジョニーからプロポーズされた。彼女はその申し入れを了承して二人は結婚することになる。しかしジョニーは、結婚式は母親が死んでからと言って母の看病のためにシチリア島へと向かう。弟のロニーと連絡を取って結婚式に誘っておいて欲しいと言い残していく。
ロレッタは早速ロニーと連絡を取り、直接会って結婚式へ出席して欲しいことを頼みにいく。しかしロニーはジョニーのせいで左手を無くしたと考えていて、ずっと恨んでいた。そんな卑屈になっているロニーを説得しようとしているうちに二人は関係を持ってしまう。
ロレッタは過ちだったと言って、ロニーを突き放すが、彼はオペラに一緒に行ってくれたら、綺麗さっぱり諦めると言う。
そしてオペラの日、ロレッタは髪を染めてドレスを着て出掛けていく。最初はオペラだけのつもりだったがロニーの強引さに徐々にペースを持っていかれ、二人は再び愛し合う。
その夜、母の容態が回復してジョニーは戻ってきていた。ロレッタは翌日、ジョニーに話すことにする。
そして翌日。ロニーが先に現れ、気まずい空気がある中、ジョニーが来るのだった。
[感想]
ロレッタの恋愛事情を描く作品。
・まさかの兄弟による略奪愛
ロレッタがジョニーから頼まれて、弟のロニーに会いに行ったのが、運命の分かれ道。そこからロニーとの恋愛に発展していく。それはロニーの兄への復讐心からだったのか、それとも純粋にロレッタの魅力に惹きつけられたからだったのか。兄弟で一人の女性を奪う形のドロっとした作品なのかと、思いきや、実はそうではないというのがオチ。
ジョニーは母親の危篤で、死ぬかもしれないから、結婚を申し込んだ。ところが、母親が元気になり、マザコンのジョニーは結婚できないと言い出す。
一方、ロニーはストレートに気持ちを出して、オペラの後には、部屋に上がってベッドに入ろうとまで言い切るわかりやすい性格。最初、パン屋で会った時は、左手を失ったことで人生お先真っ暗な感じだったロニー。最後はすっかり明るい表情になっていたのが印象的。
またこの兄弟の恋愛事情に加え、印象的だったのはロレッタの母ローズの迷える表情。夫コスモの浮気に気付いていて、どうして男は複数の女性を追いかけるのか、という疑問を抱えている。それをどう受け入れたらいいのか、迷いながら何人かにその心境について聞いて回る。そしてジョニーに聞いたところ、「死が怖いからだと思う」という意見を聞いて、自分の考えは間違っていなかったと納得。思い切ってコスモに浮気はやめてと切り出す。その心の葛藤がとても印象的。素敵な男性と出会ったとしても、自分は結婚しているからと言って、断るのに対して、浮気をしている夫に対して、悩んでいるというその様子が、とても心に響いた。
ジョニーとロニー、そしてローズとコスモ、この二つの愛が語られている作品だった。
・37歳のロレッタ、モテ期がやってくる
ジョニーからプロポーズされ、淡白に申し入れを受け入れる。そして、ロニーからも迫られる。
どこか冷めているように見える表情。言葉遣いが落ち着いているからそう感じるのか、ジョニーのプロポーズに対しては感情があまり伝わってこない。それもそのはず、実は一度結婚していて、それで懲りたと言う理由があるからだったみたい。それであっさり申し入れを受けて、なんとなくと言う感じなのか。
そしてロニーと口論した末、一気にベッドまでいってしまう。その時の彼女の言葉がもう何が何だかわからないと言った振り回されているのか、流れに身を任せたと言う悟りなのか。なんとも不思議な感情の見せ方。
それでもロニーに対してはワクワクしていたのだと思わせるのは、オペラに行くことになって準備をするロレッタ。髪を染めて、さらにドレスも買って、気合十分。表情こそ、控えめだけれど、本心はロニーと一緒になりたいと思っているのが伝わってくる場面だった。
そしてジョニーが結婚できないと言ったと思ったら、ロニーからすかさず、結婚してくれとロレッタに申し込まれる。この時は、ロレッタもはっきりと結婚を受け入れ、表情も明るかった。本当に愛したのはロニーという感じだった。
・ニューヨークを満月が照らす
映像はやや粗く、月の雰囲気が出ているにとどまるものの、ニューヨークの摩天楼と満月という組み合わせは風情があって良い。
ニューヨークではロレッタのような爆発ヘアもおしゃれな存在みたいで、すれ違った男性が注目していたのが印象的。
愛情とは何か、を考えさせられる作品だった。
鑑賞日:2021年11月6日
皆様の感想も是非お聞かせください!
それでは、また次回!
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