こんにちは、Dancing Shigekoです!
今回は映画『愛を読むひと』を紹介します!
[基本情報]
原題:The Reader
監督:スティーブン・ダルドリー
脚本:デヴィッド・ヘアー
原作:ベルンハント・シュリンク『朗読者』
製作:アンソニー・ミンゲラ
シドニー・ボラック
ドナ・ジグリオッティ
レッドモンド・モリス
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
製作会社:ワインスタイン・カンパニー
ミラージュ・エンタープライゼス
配給:ワインスタイン・カンパニー
上映時間:124分
[登場人物]
ハンナ・シュミッツ:ケイト・ウィンスレット
路面電車の車掌として真面目に働く。助けた少年の性欲を満たす代わりに本を読んでもらうことを楽しむ。
マイケル・ベルク:レイフ・ファインズ
弁護士。ハンナと関係を持ったことが彼の人生に大きな影響を残す。
少年時代のマイケル:ダフィット・クロス
体調不良のところを優しくしてくれ、家まで送ってくれたハンナに一目惚れする。そして、彼女とのセックスに溺れる。法学部に進み弁護士を目指す。
[内容]
マイケルは体調不良でふらついていた時に声をかけてくれた女性ハンナに惚れる。
マイケルは三ヶ月ほど病気で寝込んだ後、ハンナにお礼を言いに行く。その時にマイケルは関係を持つ。それ以降、マイケルは性欲を満たすためにハンナのところに通い続ける。ハンナはセックスの前に本を朗読するようにお願いし、マイケルはいろんな本を読み聞かせる。
ある時、ハンナは勤勉な仕事が評価されて事務仕事への異動を提案されるが、彼女はその提案を聞いて、マイケルに何も言わず部屋から出て行く。
それから数年が経ち、マイケルは法学部生として、法廷の見学に行っていた。そこでナチスに協力したとして裁判を受けるハンナだった…
[感想]
若さと性、そして彼女の面子を重んじた作品
・出会いは突如やってくる
雨が降る中、吐き気を催して、立ち寄った建物。そこで豪快に戻してしまう。そこにその建物の住民であるハンナが帰ってくる。
そのままひどいと言って見て見ぬふりをしたのかと思いきや、バケツに水を入れて戻ってくる。そして嘔吐物を流す。手慣れたものだと感心。
体調不良の中、一人の大人の女性に家まで送ってもらう。16にもならない少年には、さぞ衝撃の出来事。
しかもその後、三ヶ月も寝込んでしまうほどの病気だったのだから、相当心細かった時の存在は大きく心に残ったのだろうと想像される。
運命の分かれ目は嘔吐物の処理に戻ってきたことだったのだろうと思う。
・初体験を優しく教えられる
お礼のためにハンナの家を訪れたマイケル。石炭を運んできて、と手伝いをお願いされ、バケツいっぱいに戻ると顔が真っ黒になっている。それでお風呂に入って汚れを流して行きなさいと勧められる。
そこで裸になったものだから再びマイケルは勘違いまっしぐら。若さゆえにセックスに興味津々。そのままハンナ相手にセックス。優しく導かれながら経験。その経験がまた衝撃で、晩御飯には呆けていて、その後も通い詰める。
そこに愛はあったのか?若者の性欲を満たしていただけなのか?
と思っていたら、先に本を読んで、と言うのだから、マイケルとの時間を少なからずいい時間と思っていたのだろうと感じる。
しかしマイケルはあまりハンナのことを見ていなかったように感じる。ハンナが字を読めないことは、その行動からわかりそうなもの、しかし長いこと気づかなかったのだから。
若さゆえの勢いと感じてしまう。
・もしその時に異議を唱えていたら…
裁判でハンナが文字の読み書きができないと分かった時点で、マイケルは裁判に異議を唱えるべきだったのではないか?
そこで思いを飲み込んでしまったものだから、その後、結婚生活もうまくいかない、後悔を抱えることになったのだと思う。
しかしハンナがひたすら隠そうとしている事実を一時の関係を持った身で発言できるかと言ったら、マイケルの行動の通りなのだとも思う。
・マンハッタンとドイツ
面接にもっと早く行っていたら、マンハッタンに住む収容所の生き残り女性に会いに行くこともなかっただろう。
マンハッタンとドイツ、あまりにも景色が違う。今回の舞台がドイツの中でも昔ながらの都市だったのかもしれない。
・過去から解き放たれるために
娘に何年振りかに会って、彼女に過去のことを話す。そうすることで、きっとマイケルは解き放たれたのだと思う。しかしその決断に辿り着くまでの道のり、年月の長かったこと。
ハンナと共にマイケルも人生の大半を後悔の中で過ごした、そう感じる作品だった。
せめてマイケルはその後を穏やかに過ごしてほしいと思う作品だった。
鑑賞日:2022年6月19日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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