映画『制服処女のいたみ』昭和の空気感と暴力的リアル──女子高生が抱える“いたみ”とは?
- Dancing Shigeko
- 6月9日
- 読了時間: 3分
こんにちは、Dancing Shigekoです!
Vシネマ系?
今回は映画『制服処女のいたみ』を紹介します!
[基本情報]
監督:渡辺護
脚本:小水一男
撮影:鈴木史郎
音楽:飛べないアヒル
上映時間:63分
[登場人物]
マリ:美保純
主人公。女子高生。友人のエミとディスコに行くのを楽しんでいる。
エミ
マリの親友。ディスコで襲われる。
[内容]
高校生のエミとマリは家を抜け出してディスコに遊びに出掛けていた。エミはお手洗いに席を離れたタイミングで男二人組に襲われてしまう。親にバレたら嫌だろう?と脅迫されて、その後も男二人にホテルへ連れて行かれる。売春をするよう持ちかけられ、嫌になったエミは自殺を図る。
エミが自殺をしようと追い込んだ男二人に復讐しようとマリは彼らを探すのだった。
[感想]
親友の女子高生が悪い男性に弄ばれる作品。
・音声が・・
映像の古さは1980年頃の作品だから理解。映像だけではなく、音声が口の動きに合っていないことに衝撃。後から音声を入れて、タイミングがずれたのか。その音声のズレっぷりが衝撃すぎて、ストーリーの適当さや映像の古さが霞んで見えた。
・リビングで喫煙
昔の家庭はリビングでタバコを吸うのが当たり前だったのを感じる。考えてみたら会社も会議中にタバコ吸うのが許されていた時代。自分はタバコを吸わないため、こう言う環境で育っていたら、さぞかし苦痛だっただろうなと感じる。
・その描写なぜ必要?
この手の作品あるあるなのかもしれないが、意味もなくセックスする場面が描写される。マリの友人エミがセックスなんて嫌いよと発言した後、マリの母親が父親を起こして、明日は日曜日でしょと言って、セックスし始める。
この時代は土曜日も仕事していたんだとその言葉の流れから感じ取ったのはさておき、寝ている夫をわざわざ起こしてセックスしたがる母親。見た感じはいい歳のおばさんでもう興味もなさそうなだけに意外。
そしてなぜ?この描写は必要だったのか?疑問がいっぱい。
・消えた30年はこうして始まった?
マリの兄が偶然エミを見かけて、車で送ってあげると、その途中にエミはマリの兄とカーセックスをする。
そして兄は帰るなりマリに、エミとセックスしたぞ、と自慢している。大学生の彼。まともに勉強する様子もなく、女の子と遊んで節操もなくそのことを妹に語っている。
こんな人たちが社会人となるのだから、当時の日本は失速してもおかしくないのでは、と感じてしまう。こう言った作品が世の中の風潮を描いていて、日本のバブル期とはこんな感じだったのだと思うと失われた30年が訪れたのも納得。
・弱い立場の女性
それにしても国内ドラマ『あなたを奪ったその日から』でも美海が男に襲われそうになり、こっちでは二人組の男にエミが力づくで襲われる。どうして男は、女性を襲うのか。こういう構図が今も昔もずっと続いていると思うと悲しい。
この流れを変えることは物理的に難しいのだろうか。理性ではなく本能で動いていそうな男相手から身を守るにはどうしたらいいのか。
行く場所を制限するしか、ないのか?
昭和の古さを感じつつ、今も昔も変わらない男の情けなさに悲しくなる作品だった。
鑑賞日:2025年6月8日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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