こんにちは、Dancing Shigekoです!
朝、蟻の大群を見かけました。冬に備えて食料を運んでいたのでしょうか。
さて、今回は映画『ワイルドライフ』を紹介します!
[基本情報]
原題: WILDLIFE
監督: ポール・ダノ
脚本: ポール・ダノ / ゾーイ・カザン
製作年: 2018年
配給: IFCフィルムズ
上映時間: 104分
[登場人物]
ジャネット:キャリー・マリガン
ジェリーの妻、ジェリーの都合でモンタナに引っ越してきたことを納得しきれていない。ジェリーが仕事を探さないため、水泳教室でコーチを始める。
ジェリー:ジェイク・ギレンホール
仕事をクビになったことがきっかけで山火事消火の仕事につくことを決める。
ジョー:エド・オクセンボールド
山火事の仕事に出てしまった父の不在中に母が変化していく様子を心配している。学校の授業に集中できずにいた。14歳、カメラ屋でバイトを始める。
[内容]
ジェリーは家族でモンタナに引っ越してきていた。コーチの仕事をしていたが突如解雇される。その後、誤解だったと再雇用の申し出があったがジェリーは断って、山火事の消火に参加すると言う。妻ジャネットは一人で勝手に決めて出て行った夫ジェリーに愛想を尽かす。そして水泳教室で知り合ったウォーレン・ミラーと親しくなっていくのだった。そんな様子の母を見ながら、息子ジョーは父の帰りを待ちわびるのだった。
[感想]
父と母の間で自分の生活をなんとかしようとする少年の苦悩を描いた作品
・自由すぎるジェリー
ジェリー、態度が良くないという指摘を受けて仕事をクビにされる。しかし、その後、相手の誤解だったと言って復職を打診されたにもかかわらず、その申し出を断って、しばらくは職探しすらしない。やがて、山火事の消火をしに行くと言い出す始末。
それまでのジェリーもアイオワ(かアイダホ?)で仕事をしていたのに、おそらく職場でうまくいかずに転職したという流れのよう。それでも、妻のジュリエットは笑顔で支えていたのだけれど、流石に山火事の火消しと聞いて、激昂する。
いくらなんでも時給1ドル、しかも鎮火できる可能性がほとんどない山火事の仕事をしようとするあたりは、自由すぎると感じてしまう。父としての責任よりも、一人の男としてのやりがいのみに目を向けている生き方に見えてしまう。
もちろん息子のジョーの心配はしている感じではあったものの、もう少ししっかりとしていても良かったのではなかろうかと思わずにはいられなかった。
・徐々にジュリエットの心が離れていく様子を描く
この映画の主人公はジェリーか、ジュリエットか、それともジョーか?キャスティングの順番から行くと、ジュリエットが主人公のように見える。実際に内容はモンタナに残されたジュリエットとジョー中心に描かれているので、ジェリーが主人公ということはなさそう。私の中では唯一知っている俳優がジェリーだったので、最初は彼が主人公なのかと思ったのだけれど、映画の流れは完全にジュリエットまたはジョー。
では、どちらが主人公なのか。ここでもジョーのように感じる部分は強い。なぜなら基本的にはジョーから見たジュリエットという見せ方になっていたからである。と考えた時にジョーが主人公なのだと思うのだけれど、キャスティングの順番が気になる。
そんな主人公が誰かはさておき、ジョーから見た母ジュリエットがどんどん情緒不安定になっていったのが印象的。14歳の少年にこの母の変化はどう見えたのか。ウォーレンとキスしている姿を見てしまい、ショックを受けるジョー。その後、ジュリエットに、ウォーレンのことが好きなのかと恐る恐る聞く様子などは、緊張の一瞬だったに違いない。さらにまだジェリーのことは愛しているの?と聞くあたり。ジョーとしては家族3人で過ごしたい、という気持ちが非常によく出ていた。
その思いを写真を撮るという形で残す。ジョーにとっては、少し辛い展開だったのだろうと思う作品。
・モンタナの地で過ごす
この映画の舞台はモンタナ。だいぶ質素な街並み。少し走ったところには山火事が発生するような山がある。映画の内容そのものが、1980年代くらいなのかと思わせるレトロな車が多く、バスが非常に大きかったのも印象的。
モンタナと言っても、どこの都市かまでは特定できる情報はなく、片田舎ということが印象付けられる。ジュリエットが、モンタナには何もないと言ったことを感じさせる発言をしていたのも印象的。そういう州なのだなって思う。日本だったら、あのあたりのイメージだろうか。(失礼になるかもしれないので、ここでは名言は控えておこう)
そういった片田舎に取り残された感じになったことも、ジュリエットの変化を加速させたのだろうと思う内容だった。
自分のやりがいを優先したがために、家族が離れてしまう。家族とは何か、仕事とは何か、そう言ったことを訴えている作品だった。
鑑賞日:2021年8月26日
皆様の感想も是非お聞かせください!
それでは、また次回!
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