こんにちは、Dancing Shigekoです!
IMAXですかさず鑑賞。
今回は映画『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を紹介します!
前回作品感想→ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
[基本情報]
原題:The Lord of the Rings: The Return of the King
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ
フィリパ・ボウエン
ピーター・ジャクソン
原作:J・R・R・トールキン
製作:ピーター・ジャクソン
バリー・M・オズボーン
フラン・ウォルシュ
製作総指揮:マーク・オーデスキー
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽:ハワード・ショア
主題歌:アニー・レノックス『イントゥー・ザ・ウエスト』
撮影:アンドリュー・レスニー
編集:ジェイミー・セルカーク
製作会社:ウィングナット・フィルムズ
配給:ニュー・ライン・シネマ
上映時間:201分
[登場人物]
フロド・バギンズ:イライジャ・ウッド
力の指輪を手に入れたホビット。仲間を守るため、サムと二人でモルドールを目指す。
柔らかい口調が特徴的だと思う。
サムワイズ・ギャムジー:ショーン・アスティン
庭師のホビット。フロドの支えになっている。
フロドに突き放されても信じて追いかけていく、そして抱きかかえて山を登っていく根性がいい。
ピピン:ビリー・ボイド
フロドと従兄弟関係にあるホビット。パランティーアに興味を示し、夜中に起きて覗き込もうとする。
お調子者だけれど、好奇心がコンドールの救いになったのかも。地味に貴重な存在。
メリー:ドミニク・モナハン
ホビット。ピピンと共に連れ去られる。ピピンと別行動になり、奮闘する。
ピピンといいコンビと思っていたら、今回はソロ活動、という変化が面白い。
ガンダルフ:イアン・マッケラン
白の魔法使い。ピピンの見たものから、コンドールの危機を察知する。
優しく微笑む瞬間の表情がいい。
アラゴルン:ヴィゴ・モーテンセン
イシルドゥアの末裔。ローハンの戦い以降、みんなからの信頼が厚い。
さすらいのレンジャーの様子はすっかりなくなり、服装がビシッと決まっているのが印象的。
レゴラス:オーランド・ブルーム
エルフの兵士。アラゴルンと共に行動し、ギムリと戦果を争う。
本作品での見せ場は、象に軽快に上っていく場面。
ギムリ:ジョン・リス=デイヴィス
ドワーフの兵士。アラゴルンらと行動を共にしている。レゴラスと倒した敵の数を競っている。
レゴラスと友情が芽生えたという感じが良かった。
ファラミア:デビッド・ウェナム
ゴンドールから来た人間の兵士。ボロミアの弟。
父親から見放されている姿が悲しい。
ゴラム:アンディ・サーキス
フロドをモルドールに連れていくと言ってガイドしている。本当は指輪を奪い取るためにある場所に誘導している。
髪の毛のあった頃から不気味な声をしていたのが、意外。
[内容]
フロドはゴラムの案内でモルドールを目指していた。サムはゴラムが夜な夜な話している内容を聞いて、何か企んでいると考える。しかしフロドはゴラムが必要と言って、案内を続けさせる。崖を登ってトンネルを目指していた時に、レンバスのパンがなくなってしまい、サムはゴラムを疑う。ゴラムはサムの肩にパン屑があるのを見つけて、サムが犯人だと決めつけ、フロドの信頼を失わせる。サムを追い返して、フロドは先を急ぐ。
アラゴルンらはピピン、メリーを迎えにアイゼンガルドへ向かう。ピピンはそこでパランティーア(遠くが見える水晶玉)を拾う。好奇心で夜中に盗み見をすると、ゴンドールが焼け落ちる世界を見る。それを聞いたガンダルフはすぐにゴンドールに支援を送るべきとローハンの王セデオンに打診するが断られる。
作戦を変えてゴンドールから支援の狼煙をあげるためにピピンとゴンドールのミナス・ティリスへ向かう。そこではデネソールが悪政をしていた。ガンダルフの話は一切聞かず、ファラミアには見向きもしない。ガンダルフはピピンに狼煙を挙げさせる。
ローハンまで狼煙が届きセデオンは軍を送ることを決意。アラゴルンも同行していくが、途中で死者の道へ向かって、亡霊にも援軍を頼みにいく。
サウロンの軍は刻一刻とゴンドールに迫り、ミナス・ティリスへの攻撃を始めようとしているのだった。
[感想]
ロード・オブ・ザ・リング完結編。指輪をついに運び終わる作品。
<個々に頑張り、皆で助け合う>
・モルドール目指して
ゴラムの案内でモルドールを目指すフロドとサム。トンネル抜けたらたどり着くと言われ、ついていく。崖に登ろうとすると、その手前に死の都がある。フロドはふらふらと吸い込まれていきそうになってしまう。この辺りに指輪にどんどん蝕まれていっているのを感じる。それを必死にサムが引き留めている。さらには、ゴラムも止める。
なんとか崖を登っていくけれど、今度はサムと衝突。とうとうゴラムの言葉に乗せられて、サムを疑ってしまう展開。一度はサムは帰ろうとしたけれど、途中で引き返してきて、フロドを助け出す側に戻る。
今にも心が折れそうになってはサムが支え、サムを疑っては、信用し直して。そういったやりとりの末、とうとう目的の火山口。そこですぐに投げ捨てるのかと思っていたら、歴史は繰り返される。指輪は自分のものだと言って逃げていこうとする。ゴラムがここで来なかったら大変なことになっていた。そう考えると、ゴラムが真の功労者なのかもしれない。
いろんな障害を乗り越えて、最後の目的を成し遂げる。ここまでの道中、言えば歩いているだけ、登っているだけ、とにかく移動しているだけなのに、その苦労が滲み出ている。そのありきたりの行動が一つの冒険となるのだから、面白い。
服の汚れ方、疲労感などから長期間に渡り、歩いてきたのだと感じさせてくれているのかもしれない。純粋にお疲れ様でした!フロド、といいたくなる冒険だった。
・ゴンドールを死守
指輪を火山口に捨てる、だけではないのがこの作品。サウロンが大軍をゴンドールに送り込んでくる。その量といったら、画面いっぱいに広がるほど。一体どれだけのオークがいるのか。トロルも現れ、象も現れ、裏切り者の人間も加勢して、さらには新たなオーク(豚みたい)も現れる。そこに飛竜に乗ったナズグル。とにかく敵がわんさか。
どうやってそのオークが現れるのか。前作サルマンがしていたみたいにオークは次々と作り出されているのかもしれない。無尽蔵に作り出されるオーク。人間が数で勝てるわけもなく、それでも対抗しているのだから、人間頑張っている。
ピンチになると、ローハンの騎士が現れ、さらにピンチになるとアラゴルンが亡霊の兵を大量に連れてくるという流れで、決して楽な戦いではないし、被害は相当。
お気に入りキャラのエオメルが生き残ってくれたのは、被害が多い中では救い。
・フロドのために
サウロン軍を撃退して一息のゴンドール兵。しかしアラゴルンはフロドはモルドールを通り過ぎることができるようにするために陽動作戦に出る。黒門の前に、残りの兵を集結させて、モルドールにいるサウロン兵を引き付ける。あまりにも多いサウロンの軍。アラゴルンらを四方から取り囲んでも、なお兵が後ろに続いていく。それだけの兵力を見せつけられて、士気が明らかに低下している兵に向かってアラゴルンが鼓舞。
それこそ死を覚悟した戦い。圧倒的な劣勢の中でも戦う。それはフロドが生きていると信じ、フロドがモルドールの火山口に指輪お入れてくれると信じるからこそ。携帯電話がないこの世界で、相手の状況がわからないのに、全軍を挙げて陽動作戦をするのだから、信じる力がすごい。その期待に応えていたフロドとサムの功績も大きい。
途中別行動だったけれど、最後の最後で再びチームで行動をしている感じになっているのが面白い。
<複雑な想い>
・罠にかけようとするゴラム
前作終わりくらいから怪しい気配を見せ始めるゴラム。今回も早々にゴラムとスメアゴルが交互に会話している。基本的には指輪を奪い取るつもりでいるゴラム。そのために、巨大グモのいるトンネルにフロドを誘い込もうとしている。さらにサムとの関係に亀裂を入れようとしている。
あの大きな目で、悪いことをしていない、って言ったら信じてしまうものなのだろうか。哀愁漂う目、見事にフロドが騙されて、巨大グモの餌食になってしまうのだから、ゴラム恐るべし。
しかしぐるぐる巻になったフロドから指輪を奪い取ることに失敗しているあたりがゴラムの弱さなのだろうか。計算し尽くせていないのだから、なんとも。
・アラゴルンに想いを寄せるエオウィン
一方で、この作品では珍しい恋愛。と言ってもアラゴルンはエルフの姫と恋をしているのだから、そこに他の人が登場しても困るのだけれど、エオウィンはアラゴルンに想いを寄せている。来るべきではない場所まで、一緒についてきた理由を聞くと、言わなくても分かるでしょと視線を送る。
その意味を汲んだアラゴルンは、自分はその想いに応えることができないと一刀両断。なかなか厳しい世界、と感じてしまう。密かな失恋。それが戦いに影響しなければいいのだけれど、と余計な心配をしてしまった。
・父に認められたくて命を捧げるファラミア
サウロン軍の脅威ばかりに目が行ってしまうけれど、今回はファラミアとボロミアの父デネソールもひどい。ボロミアの死を悔やみ、代わりにファラミアが死んでくれていたらよかったのにとさえ言う。そんなことを言われて、ファラミアは次生きて戻ってきたら、迎え入れて欲しいと言って、残り僅かな騎馬兵を連れて川辺の砦奪還に向かう。しかし無惨な結末。戦わずとも結果の見えていた戦い。もしファラミアがそこに向かわず城の防衛に回っていたら、もっと状況は良かったように思うのだけれど。
外からやってくる敵に加え、内側にいるたちの悪い敵。どこにでも敵がいると感じてしまう展開だった。
<色の少ない世界>
・城塞都市ミナス・ティリス
ゴンドールの都市ミナス・ティリス。何重にも城の周りを登っていく高さを誇る白い城塞。その様子はまるで、ミッドガルドと感じてしまう。頂上に辿り着くのにどれだけ走っていたのか。こんな立派な城塞都市があったら、きっと本丸が落ちることはないだろうにと思う。ただ入り口が一箇所だから、そこを突破されてしまうと逃げ道があっという間に失われるリスクも感じられる作りだった。
・死の森を通る
緑色の薄明かりで姿を見せる亡霊。その亡霊たちが待つ森へとアラゴルンが入っていく。そして大量の亡霊を前に取引をしている。レゴラスが放った矢が当たらないのに、どうやって戦力になったのか疑問が残るところではあるけれど、亡霊までもが味方になってしまうと、これまでの世界観から、やや違った路線にも感じてしまった。『パイレーツ・オブ・カリビアン』?
・火山を登る
ひたすら火山を登っていくフロドとサム。かなりの熱風が吹き荒れているのか、なかなか足が進んでいかない様子が描かれる。さらにところどころ噴火して岩が飛び出していっている。これだけ活発な火山だと、溶岩の熱さで地面を裸足で歩くのも辛かったのではなかろうか。
白い都市に赤い大地、暗い森といろんな場所が登場していた。
一つのことをみんなで成し遂げたと感じる作品だった。
鑑賞日:2022年10月29日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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