こんにちは、Dancing Shigekoです!
台風14号が勢力を維持しながら西日本に迫っています。大きな被害が出ないことを願います。
今回は東野圭吾原作、木村拓哉、長澤まさみ出演映画『マスカレード・ナイト』を紹介します!
[基本情報]
監督:鈴木雅之
脚本:岡田道尚
音楽:佐藤直紀
原作:東野圭吾『マスカレード・ナイト』
制作会社:シネバザール
配給:東宝
製作年:2021年
上映時間:129分
[登場人物]
新田浩介:木村拓哉
警視庁捜査一課刑事。フロントクラークとしてホテル・コルテシア東京に潜入捜査する。前回の事件の繋がりで山岸尚美にこまめに情報を聞く。
山岸尚美:長澤まさみ
ホテル・コルテシア東京のコンシェルジュ。優秀でホテル・コルテシアロサンゼルスの日本人スタッフ候補として選ばれる。感情的になりやすいのが課題。
長澤まさみのホテル制服姿は最高に似合っている。実際にいそうと感じるくらいのハマり服。
能勢:小日向文世
警視庁捜査一課刑事。現場一本で足で情報を取りに行く昔ながらの捜査スタイル。
原作に比べて、新田からの信頼度が低いように見える。
氏原祐作:石黒賢
ホテル・コルテシア東京のフロントクラークで、新田の世話役。山岸とともにホテル・コルテシアロサンゼルスの日本人スタッフ候補として選ばれている。
原作のイメージとはちょっと違うキャスティング。原作を忠実に再現するなら、私の中では”野村萬斎”が適任。
日下部敏哉:沢村一樹
ホテル・コルテシア東京の宿泊客。いろんな要望を山岸や氏原に投げかける。
原作よりも控えめな性格に感じた。もっとめちゃくちゃテンション高く相談するキャラを想像していた。
[内容]
練馬の女性殺害事件の捜査会議中に一通のFAXが届く。犯人がホテル・コルテシア東京のマスカレード・ナイトに現れるという密告だった。その一報を受けて、新田浩介が再びフロントクラークに扮して、潜入捜査をする。
大晦日の繁忙期に、潜入捜査が始まる。タイムリミットは午後11時。それまでに犯人を見つけ出すために警察はホテル関係者と力を合わせて解決を目指す。新田はコンシェルジュになった山岸に話を聞きながら、状況分析をしていく。
一方、山岸は宿泊客の日下部の難題、中根緑のケーキの要望に応えるべく、知恵を絞り準備を進める。
そして犯人が見つけられないまま「マスカレード・ナイト」の時間になるのだった。
[感想]
ホテル・コルテシア東京での潜入捜査で犯人探しを描く作品。
・原作との差異を楽しむ
この設定変更は面白いと思った部分がいくつかあった。
1つ目は、ロサンゼルス行きを山岸と氏原のどちらからか選ぶという設定。その二人に対してテストが行われているのだと思って見ていると面白い。その対応で良かったのだろうか、と興味深かった。特に最上階に替えて欲しいと氏原に頼み込んでいた場面、氏原の対応がどう評価かされたのか、気になった。
2つ目は、いきなり大晦日ということ。長期的に捜査に臨んでいた原作に比べ、事件当日の密告、緊張感がある。1日という限られた時間にすることで映画の二時間の枠に収まっても違和感なく見届けることができる内容になっていると感じた。大晦日という設定に合わせて、日下部のプロポーズ大作戦は、時間を後ろ倒しにするのではなく、前倒しにして、レストラン開店前の一時間を貸切として提供するという替え方は、面白い。このイベントを前倒しにすることで、日下部の次なる難題に対しても時間的に猶予ができているからすごい。
3つ目は、ネタバレになってしまうけれど、最後の宿泊者が新田ではなく、山岸という設定。その設定変更と見送りにきた新田と山岸の会話には続編があるのではないかと感じさせるものがあった。続編ができるかは、東野圭吾氏次第とは言え、映画版の見せ方はそういう印象を受けた。そして想像が膨らむ。次なる事件はロサンゼルスか?と。
逆に設定変更が残念だった部分もいくつかあったけれど、一番残念だったのは、氏原と新田とのやりとりの頻度が少なかったことだろうか。もう少し氏原の切れ味鋭い対応を見てみたかった。それに対して、新田がどんな表情を見せるのかは興味があった部分。ただこの二人のやりとりは原作ではかなり多く描写されていたので、なかなか難しい部分だったのだろうと思う。最低限、特に印象的なエピソードをピックアップした印象だった。
・アルゼンチンタンゴを映像で見る魅力
オープニングでダンスの練習を新田がしている。そのアルゼンチンタンゴ、比較的長い時間を設けて描写される。原作は文章だから、上手に踊ると書いておけば、上手なのだと分かる。それを実際に映像にするためには、役者が上手に踊る必要がある。そう意味で、最初の場面で木村拓哉と中村アンが見せるタンゴ、そしてマスカレード・ナイトで見せる木村拓哉と仮面客が見せるタンゴは、相当練習したのだろうと思った。その結果が、こうして一つの滑らかな動きにつながったのだろうと思う。新田らしさを作り出していたのだろうと思う。
演技と言えば、長澤まさみが手をお腹の前で合わせてお辞儀をする姿は前作『マスカレード・ホテル』に続き、とても絵になっていた。本物のホテルスタッフと感じてしまう。制服よし、動きよしの長澤まさみは、ホテルの魅力を演出していたと感じる。
・舞台となったロイヤルパークホテル東京に行きたくなる
今回も前作『マスカレード・ホテル』に続き、ロイヤルパークホテル東京が舞台。ロビーの豪華が印象的。その豪華なロビーとは対照的に、捜査本部がある空間(総支配人室の反対側)は殺伐としている。ホテルの表と裏を楽しめる。原作では別館に設けられた捜査本部は、今回も前作同様に地下なのか1階のフロント裏なのかにある。洗濯物が行き交っていたり、コックもいたり、かなり集約されている感じだった。
今回はフロントよりもコンシェルジュのデスクがよく映し出される。コンシェルジュデスクの向かい側に階段があり、2階との1階との距離は比較的近く見える。そういったホテル内部の構造を、実際に見てみたくなる。
そしてパーティ会場の表にある、マダム・マスカレード像。想像していたのと同じ形をしていたのが嬉しかった。だいぶイメージ通りの像。
映画で登場する宿泊客の部屋はエグゼクティブタイプなのだろうと想像しながら、豪華なホテルの内装も楽しむことができた。
鑑賞日:2021年9月17日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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