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  • 執筆者の写真Dancing Shigeko

映画『エジソンズ・ゲーム』電流戦争を映画化!

更新日:7月13日

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 頭脳プレイが見られそうな感じだったので鑑賞してみました。


 今回は映画『エジソンズ・ゲーム』を紹介します!


[基本情報]

 原題:The Current War

 監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン

 脚本:マイケル・ミトニック

 製作:ティムール・ベクマンベトフ

    ベイジル・イヴァニク

 製作総指揮:マーティン・スコセッシ

       スティーヴン・ザイリアン

       ギャレット・バッシュ

       マイケル・ミトニック

       アン・ロアク

       ミシェル・ウォーコフ

       ベネディクト・カンバーバッチ

       アダム・アクランド

       デヴィッド・C・グラッサー

       デヴィッド・ハッキン

       ボブ・ヤーリ

       アダム・シドマン

 音楽:ダスティン・オハロラン

 撮影:チョン・ジョンフン

 編集:デヴィッド・トラクテンバーグ

 製作会社:サンダー・ロード・ピクチャーズ

      フィルム・ライツ

      バザレフス・カンパニー

 配給:101スタジオズ

 上映時間:108分

[登場人物]

トーマス・エジソン:ベネディクト・カンバーバッチ

 直流電流を発電の主軸において、普及を目指していく発明家。

 傲慢な感じはベネディクト・

ジョージ・ウェスティングハウス:マイケル・シャノン

 交流電流を発電の主軸において、普及を目指していく。

 何か悪いことを考えていそうな目に見える。

ニコラ・テスラ:ニコラス・ホルト

 エジソンの元で働き始めるが、成果を認めてもらえず、のちにウェスティングハウスと手を組む。

 夢想家という感じがよく出ていた。こういうアイデアを武器にする人が世の中には多くいるのだろうと思う。

マーガリート・アースキン・ウェスティングハウス:キャサリン・ウォーターストン

 ジョージの妻。

 夫をしっかりと支えている感じが出ていた。

[内容]

 1880年、アメリカでは電流戦争が起きていた。エジソンは直流で、対抗するウェスティングハウスは交流でアメリカに電気を灯そうと躍起になっていた。

 エジソンは交流は感電死する可能性があると唱え続け、自らの地位を固めようとしていた。しかし直流に比べて1/3のコストで遠くまで電送可能な交流に少しずつ差をつけられ始めていく。1893年シカゴで行われる世界万国博覧会で直流の立場を勝ち取ろうと出展に名乗りを上げるが、ウェスティングハウスに敗れ、交流が世界に広まっていくのだった。

[感想]

 映画タイトルから頭脳戦を想像していたけれど、全く違う内容だった。

 エジソンとウェスティングハウスによる電流戦争を描いた作品。

<電気がなかった時代>

・直流か交流か

 今では家庭に届いている電源は100V50Hzないし60Hzの交流が当たり前の世の中。世界では220Vのところもあるけれど、基本交流。その環境が最初からあったわけではなく、エジソンの時代には、まだガス主体の世界。

 電気の前はガスで生活を築いていたという事実も、想像が難しい。そこに電気を導入していくエジソン。安全性を優先して直流を選択。この選択がよかったのか、どうか。技術者として、使用する人の安全を最優先にしていたというところからの発想。

 そこに対抗したウェスティングハウス。交流で街を照らそうとしている。直流と交流。このような覇権争いがあったということを全く知らなかったことが恐ろしい。こうした一つ一つの歴史を知ることは、いかに今がいろんな人の努力の元で成り立っているのかを知る機会になっていいと感じる。

 今では当たり前も、当時は夢物語とされていたと思うと科学技術の進歩というのはすごいものだと感じた。


<知られざる人物像>

・劣勢のエジソン

 エジソンが電力供給に力を入れていたという事実が自分にとっては新たな発見。その時に採用した直流が劣勢になってくると、エジソンは交流は人を殺す危険性があると言い始める。この辺りが意外。正々堂々とではなく姑息な手で勝利を手に入れようとしていたのが勿体無い。

 それだけ安全性を優先したかったということなのだろうけれど、素直に交流の良さを認めていたら、もっとより良い発明がされていたのではないか、と考えを巡らせてしまう。

 それともこういった姑息な手を使っていたように見せているのは史実とは異なるのだろうか。

 それにしてもベネディクト・カンバーバッチが演じると、どうして”傲慢”なイメージが先行してしまうのだろうか。勿体無い。


・一緒に仕事をしたかったウェスティングハウス

 一方、エジソンが直流で普及を図ったのに対して、ウェスティングハウスは交流で普及を図る。エジソンと彼との違いは、相手を認めているかいないか。ウェスティングハウスはエジソンの才能を認めていて、彼の力が必要と考えている。だからこそと晩餐会に招待したのだろうと思う。

 もし、彼らがもっと早いタイミングで食事を共にしていたら、もっと違った形で世界は形成されていたのかもしれない。

 エジソン・エレクトリックという名前も残っていたのかもしれない、そんな風に感じてしまう。GE(ゼネラル・エレクトリック)にエジソンが絡んでいたというのも発見の一つだった。


・アイデアを話し続けるテスラ

 そしてもう一人謎キャラ。テスラと聞くと、電気自動車のテスラをイメージしてしまうけれど、この人物こそがその原点。エジソンと確執があったというのが、残念で仕方ない。彼の言っている内容に少しでも耳を傾けていたならば、エジソンの発明は、さらにいろんな方面に広がっていたのではないかと思われる。

 それにしても自分の頭の中では完璧に出来上がっていると言い切れるこの人物。ややものづくり自体を知らない感じがあるようにも思えた。だから毛嫌いされたのかもしれない。自分の手も動かして、実際に試作品を作って動かしてみて初めて分かることがある。机上の空論派に見えただけにテスラのアプローチ自体も勿体ないと感じてしまう。


<印象的な映像>

・シカゴ万博

 1880年~90年代のアメリカ。蒸気機関車が何本も並走している場面からシカゴに移っていく映像は印象的。宮殿のような建物が中央にあり、その建物を囲むように建物が並んでいる。国会議事堂のような、白基調の建物が並ぶ。わずか150年足らず前の風景。こういう街並みを見ると、今とは違う良さを感じる。その世界観を映像で復活させることができるのがすごい。


 もしエジソン、ウェスティングハウス、テスラの三人が力を合わせていたならば、より科学技術の発展は加速していただろうにと思えてしまう作品だった。


 鑑賞日:2023年5月6日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!



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