こんにちは、Dancing Shigekoです!
TVスペシャル版からの続編のはず。→国内ドラマ『イチケイのカラス』
今回は映画『イチケイのカラスSP』を紹介します!
[基本情報]
原作:浅見理都
監督:田中亮
脚本:濱田秀哉
音楽:服部隆之
制作:C&Iエンタテイメント
製作:2023映画『イチケイのカラス』製作委員会
配給:東宝
主題歌:Superfly『Farewell』
[登場人物]
入間みちお:竹野内豊
岡山県秋名支部に赴任している裁判官。
坂間千鶴:黒木華
岡山県日尾美町で弁護士として仕事をしている。
鵜城英二:向井理
防衛大臣。
月本信吾:斎藤工
日尾美町で弁護士をしている。坂間の商売敵ではあるが、同一案件を一緒に取り組む。
[内容]
瀬戸内海でイージス艦と民間タンカーの衝突事故が発生。タンカーは沈没し、乗組員が全員なくなった。防衛省の発表に納得がいかなかった、タンカーの艦長の妻 島谷加奈子は防衛大臣の鵜城に直々に事故の真相を問いただそうとするが、回答得られず。持っていた包丁で関係者を切った現行犯で、裁判にかけられる。
裁判を担当したのは入間裁判官。彼女が傷害を起こした理由が海難事故にあるとして、職権を発動して調査に乗り出すが、即座に本件の裁判官を外されてしまうのだった。
一方、隣町の日尾美町でキャリアを積むために弁護士として働いていた坂間千鶴は、一つの事故の裁判がきっかけでライバルの月本弁護士と一緒に仕事をすることになる。地元のシキハマ株式会社の工場内でパワハラが疑惑があると調査を進めていくうちに、汚染水が廃棄されている疑惑が上がってくる。坂間は汚染水廃棄が原因で病気になった被害者の代理弁護人としてシキハマを相手に裁判を起こすのだった。
[感想]
法律の狭間に苦しむ地域を主題とした作品。
・海難事故の真相
タンカーとイージス艦の衝突。その詳細を調べようとしたが、イージス艦の航海記録を紛失、タンカーの方のGPS情報は海の中、今回はタンカー側の不注意だった、で片付けられる。詳細を調査したのか、どうかも分からない報告で、関係者の理解を得ようとする。
この辺りの進め方は乱暴と感じずにはいられない。入間が鵜城に話をしにいった時の発言が印象的。その情報を必要不要と判断するのは、国民一人一人であって、一部の人間によるものではない、と入間が言うのに対して、一部の人間によって取捨選択された情報のみを国民は知っていたらいいのだと言い切る鵜城。その理由としては、不必要な情報を開示することで国民に混乱を招くようでは、国家の安全が危ぶまれるからだと。
どちらの言い分も一理あると思ってしまう。入間は鵜城の意見に対して、それを背負っていくだけの責任を持つと言うことですね、と念押し。自分の発言に責任を持ち続けられるのであれば、それでもいいのではと一定の理解を示す。
事実に対する責任。世の中にはいろんな情報が操作されているのだろうなぁと感じる世界観。
・汚染水疑惑をもみ消し
一方、坂間が取り組んでいた汚染水疑惑。
町民を集めて、フッ素系の薬物が規定量以上含まれていたことが確認できたと報告し始める。ところが、そのようなデータは出ていないとシキハマが反論。そして町民たちが去っていく。
さらに夜中に月本のことを追いかけていくと、シキハマの工場長からお金を受け取っている。
坂間は裏切られた気持ちでいっぱい。
地元の大手企業には逆らえない、といった雰囲気が恐ろしい。
・二つの事故の背景に
それでも坂間は諦めずシキハマ相手に訴訟を起こす。その裁判の裁判官を入間が担当。
そして明らかになる真相。そこにあったものは、実に苦しい事情。
5年前の法改正で、これまで使っていた物質が禁止物質になった、という事実から、今回の事件の発端。
そう言った背景を語っていく中で印象的だったのは、法律を変えるだけ変えて、その法律についてこれない溢れていった人たちは自分たちでなんとかしないといけない。法律は正義と振り翳して、溢れていく人たちを気にかけない。それのどこが正義なのかと。
法律では守りきれないものがある、そう言う時に、現場だけがもがかないといけないのか。
なんというか、法律との向き合い方について考えさせられる結末だった。
以下余談。
・環境団体
環境破壊に抗議をする団体が裁判所の前で活動している。その服装と動きの不気味なこと。あの手の団体は本当に、この作中のようなデモ活動をしているのだろうか。裁判所の前で不気味な服装と踊りで訴えるよりも他に方法がありそうな気がする、と少しばかり感じてしまった。
・民放での映画
地上波初放送されていた映画を録画して鑑賞。個人的にあまり地上波で放送される映画を見るのは好みに合わない。そして今回もその印象は同じ。
CM多すぎ:これはスキップ機能でまだ我慢できる。それでも多すぎ。
CM後のテロップ:CM明けの数秒間『イチケイのカラス』と毎回表示されるのが煩わしい。こればかりは見ている方では削除できないだけに苦しい。
時々あるCM前後の重複映像:CMに入る前の10秒ほどが、CM後でも繰り返し流れる見せ方が何度かあって、この構成がまた鬱陶しい。
どうして民放の映画上映は、こうも快適指数が低いのか。
それだけにスカパーでCMなしで映画を見られることが幸せだと痛感。その気づきが得られたのはよかった。
まだまだ続編が作れそうと感じる作品だった。
鑑賞日:2024年1月7日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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