Dancing Shigeko
小説『果つる底なき』お金に取り憑かれた人の醜さを描く
更新日:2月13日
こんにちは、Dancing Shigekoです!
週明け台風の影響が出るかもしれないと言う事で、月曜日は在宅勤務をすることにしました。皆様はどうですか。
さて、今日は池井戸潤著 小説『果つる底なき』を紹介します!
[あらすじ]
伊木が支店に戻る前に一息ついていると同僚の坂本が緊張した面持ちで出かけていく。彼は伊木に”これは貸しな”と話しかけて、先を急ぐ。
伊木も午後に外回りに出て、支店に戻ると支店長に呼び出される。すぐに話を聞きに行くと坂本が危篤だと言うのだった。坂本は車でぐったりしているところを発見されて、病院に搬送されていた。しかし治療は及ばず、坂本は亡くなってしまう。
坂本が亡くなり、彼の担当業務を引き継いだ伊木は、少しずつ坂本の死の真相に近づいていくのだった。
[感想]
池井戸潤作品と言えば、半沢直樹や下町ロケットと言った前半窮地に追いやられて、後半一気に挽回して、スカッと終わるというのパターンで、その爽快感を楽しませてくれる作家という印象だったけれど、この作品は、終始闇が広がっていて、どこか泥っとしている。池井戸潤の新たな一面を発見できる。
お金が人を醜い生き物へと変えていく。自分の身を守るために秘密を暴こうとするものを一人ずつ消していく。そんな世界が本当に存在するのか。金融業界の闇を感じる一冊。
読了日:19年11月22日