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小説『白馬山荘殺人事件』暗号解読を一緒に

  • 執筆者の写真: Dancing Shigeko
    Dancing Shigeko
  • 2021年10月30日
  • 読了時間: 4分

 こんにちは、Dancing Shigekoです!


 日本ハムの監督に新庄氏が就任した。熱血選手が増えるかもしれない。。


 さて、今回は小説『白馬山荘殺人事件』を紹介します。


[基本情報]

 著者:東野圭吾

 出版社:光文社出版

 出版年:1990年

 ページ数:385ページ


[登場人物]

 原ナオコ

  兄 公一の自殺を不審に思い、現場の宿「まざあ・ぐうす」を訪れる

 沢村マコト

  ナオコの親友。今回、一緒に真相解明のために現地に行く。


[内容]

プロローグ1

プロローグ2

第一章 マザー・グースの宿

第二章 『ロンドン・ブリッジ』の部屋と「オールド・マザー・グース』の部屋

第三章 角のあるマリア

第四章 こわれた石橋

第五章 『ガチョウ』と『足長じいさん』の部屋

第六章 マリアが家に帰る時

第七章 『ジャックとジル』の唄

エピローグ1

エピローグ2

から構成される。


 原ナオコは兄公一が自殺した宿にマコトと一緒に向かった。当時と同じ顔ぶれの宿泊客に話を聞きながら自殺の真相を探っていく。やがて二人は各部屋に飾られているマザー・グースの唄に意味があると考え出す。そんな中、宿泊客の一人 大木が転落死する事故が発生した。

 それは事故なのか、それとも他殺なのか。そして公一の自殺と関連があるのか。ナオコとマコトは徐々に真実を明らかにしていくのだった。


[感想]

 自殺の真相解明からいろんな過去が明かされていく作品。

・壁掛けの唄が暗号になっている

 ナオコに自殺した兄から届いた一枚の絵葉書。そこに書かれた謎めいたメッセージが気になり、自らもそのペンションを見に行こうと決心する。この時点から、かなり謎めいている。

 さらに同じペンションで同じ時期に2年連続で人が亡くなっている。一人はナオコの兄。その一年前にも宿泊に来ていた男が転落死をしていた。

 そしてナオコが訪れている時にもひとり転落死する。

 意味深な死が続く。この死が何を意味しているのかを想像する謎解きが一つ。

 さらにペンションの各部屋に飾られている壁掛けの唄にも暗号が隠されている。

 そして公一が自殺した時の密室の謎。

 一体何が起きたのか、何が起きているのか、何を意味しているのか、というのをナオコ、マコトがもたらす情報から想像して読み進めていくのが楽しめる展開だった。

 そして最後には、一本の線につながっていく。その結末までの話のもって生き方は、飽きが来る事なく、一気に読み進められる内容だった。


・ナオコとマコトの名コンビ

 大学生のナオコとマコト。この二人が実に息があっていた。人に対して強くサバサバと接するマコトと、兄の死の真相を知りたいという思いが強いけれど、控えめなナオコ。ナオコが困りそうになると、タイミングよくマコトが割って入る。あるいは最初からマコトが正面に出ていく。

 それでいて、マコトが考えに行き詰まっている時に、ナオコがいいヒントを見つけてくる。

 時には手分けして情報探しをして、お互いに有益な情報持って帰ってくると言った感じで息があっていた。

 途中、大学生なのに探偵まがいのことをするのか、と思うような動きをしそうな瞬間もあったけれど、最終的には警察に情報を提供して、二人はあくまでも主体的に情報収集はするけれど、危ないことはしないというスタンスを保っていたところも良かった。


・人里離れた雪景色のペンションで話は進む

 駅からだいぶ離れたところにあるペンション。周りは雪景色。「まざあ・ぐうす」とひらがなで書かれた看板が出ているペンションがこの物語の舞台。

 マコトが買い物のために街に向かう場面もあるが、街の描写はほとんどなく、ペンションの間取りなどの方が詳細に語られる。簡単な見取り図も出てきていて、間取りが重要な意味を持つことを暗示している感じ。

 ペンションの裏には石橋がかかっている。途中までしかなく、反対側に渡ることができない。そしてその石橋の下は谷になっている。二人が転落死した場所がある。

 暗号を解くために、部屋の名前も重要で、自分自身もペンションの中を一緒に歩き回っているような錯覚が起きてくる作品だった。


 読了日:2021年10月30日


 皆様の感想もぜひお聞かせください!


 それでは、また次回!


 
 
 

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