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小説『あの頃の誰か』短編8つで魅せる東野圭吾ワールド

更新日:2022年12月28日



 こんにちは、Dancing Shigekoです!

 円安が急激に進んでいる。どこまでいくのだろうか。


 さて、今回は小説『あの頃の誰か』を紹介します!


[基本情報]

 著者:東野圭吾

 出版社:光文社文庫

 出版年:2011年

 ページ数:332ページ


[登場人物]

 短編集につき、省略


[内容]

8つの短編集

シャレードがいっぱい

 津田弥生は恋人の北沢孝典をいつものようにプールサイドで待っていた。しかし、なかなか現れない彼を探しに家まで行ったら死亡しているのだった…


レイコと玲子

 夜中に女の子が酒屋の自販機の脇で立っている。その近くの公衆電話を使いにきた男に、背後から刺しに行くのだった…


再生魔術の女

 根岸峰和と千鶴夫婦は男の子を養子にもらった。その後の手続きについて、担当の中野章代から説明を受けるために峰和は残るのだったが、話は章代の妹の話になるのだった…


さよなら『お父さん』

 杉田平介は妻 暢子と娘の加奈江の帰りを野球観戦して待っていた。その放送中に彼女らが乗った飛行機が着陸失敗と言うテロップを見る。病院に向かった平介。暢子は助からず、加奈江だけが助かった。しかし、加奈江は意外なことを言うのだった…


名探偵退場

 アンソニー・ワイクは最後にもう一度、難事件に挑みたいと考えていた。そこにメアリー・ホークがやってきてロックウェル卿が危ないと聞かされる。急いで現場に行ったがロックウェル卿は殺されていた。その状況は、ワイクが過去に解決した魔王館殺人事件と酷似していた…


女も虎も

 真之介は殿様の妾に手を出したため処刑されることになっていた。三つの扉から一つ開けて、そこで待っているのが美人の女性だったら結婚、虎だったらその場で食べられる、そして三つ目の扉には何が待っているのか謎のまま扉を開く…


眠りたい死にたくない

 筒井は憧れの先輩山﨑ユカリに食事に誘われて有頂天になっていた。しかし、気がつくと意識を失っていた…


二十年目の約束

 亜沙子は村上照彦の希望により子供を作らないことを条件に彼と結婚した。最初は問題なく暮らしていたが、照彦のカナダ転勤を機に少しずつ亜沙子は孤独を感じるようになり、自殺を図る。それを機に一度帰国した二人。照彦は山梨に行くと出かけていくのだった…


[感想]

 8つの短編。

・多岐にわたる短編たち

 それぞれの作品が違った系統で面白い。『秘密』の元となったと思われる作品の「さよなら『お父さん』」は、『秘密』との違いが楽しめる。

 「シャレードがいっぱい」では謎解きだけではなく、謎めいた登場人物が楽しめた。

 「レイコと玲子」の終わり方には含みがあって、読んだ人と一緒に語り合えそうな内容で面白い。

 「再生魔術の女」では過去の記憶を引っ張り出して精神的に追い込んでいく恐怖が描かれている。悪いことはするものではないと、当たり前ながら感じる。

 他の短編も印象的な内容が多く読み応え十分。


・有頂天になった筒井

 登場人物で印象的だったのは「眠りたい死にたくない」の筒井。憧れの女性から食事に誘われて、喜んで返答。どんな格好をしてくるのかとか、健康診断の数値の話などされても、その内容に疑問を感じることなく、その場を楽しんでいた様子を見ていると、男とは憧れの女性の前では、あまりにも無防備。すぐに騙されると言うように感じる。

 女性に騙された人物に「女も虎も」の真之介もいるけれど、こう言った女性の策略にはまっていく男の姿を見ていると人間不信になりそう。


・雪山の屋敷が舞台の「名探偵退場」

 探偵ものではお決まりの雪山の屋敷。ここに辿り着く前のワイクのぼやきが印象的。最近では科学捜査が進んで推理の醍醐味が減ったと悲しむ。それだけに、最後にもう一度花を咲かせたいと言う思いをにじませる。

 その話を聞いていたかの如く、依頼がやってくる。向かった先がその雪山の屋敷。この描写を見た時に、『名探偵の掟』を思い出す。しかし、ここの作品では全く違った方向に話が進んでいく。

 結末もまた印象的。探偵が活躍している裏では、被害者たちが辛い思いをしているのだと言う表現には、うなされるものがあった。


・一番印象に残ったのは…

 この先の展開がどうなるのか。先をどんどん読み進めたくなった作品は最後のエピソード「二十年目の約束」。

 照彦は一体何を隠しているのか。どうして子供を作らないことが結婚の条件と言ったのか。なぜ、急にもう戻ることがないと言っていた故郷 山梨に行こうとしたのか。など、その謎めいた行動の一つ一つに対して最後に答えが出される。

 そしてその理由を知った時に、切なく悲しい思いに襲われる。決してハッピーエンドとは言えないものの、囚われていたものから解放される瞬間を体験できる内容が印象的だった。


 いろんな東野圭吾ワールドを体験できる一冊だった。


 読了日:2022年1月4日


 皆様の感想も是非お聞かせください!


 それでは、また次回!



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