こんにちは、Dancing Shigekoです!
子供たちの夏休みが後1週間となりました。宿題は終わっているようなので、一安心です。
さて今回は国内ドラマ『赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!』を紹介します!
[基本情報]
原作:東野圭吾『赤い指』(講談社)
脚本:櫻井武晴 / 牧野圭祐
企画:那須田淳
プロデューサー:伊與田英徳
主題歌:山下達郎『街物語』(ワーナーミュージック・ジャパン)
製作著作:TBS
[登場人物]
加賀恭一郎:阿部寛
練馬西署の刑事。入院中の父の見舞いに一切顔を出さないため、従兄弟の松宮に咎められる。
阿部寛作品(テルマエ・ロマエ、劇場版チームバチスタ、ドラゴン桜)が続く。”麒麟の翼”で加賀恭一郎が阿部寛だと知った時は、ちょっと原作と違う印象を受けたものの今回は予備知識があったので、違和感なく鑑賞。他の作品とキャラがかぶらないかと言う不安も特に感じずに見られた。
松宮脩平:溝端淳平
警視庁捜査一課の刑事。加賀の従兄弟で、捜査の合間に世話になったおじの見舞いをする。
自分の中では、松宮のイメージは伊藤淳史。溝端淳平が演じる松宮、やや原作よりもスマートに見える。
前原昭夫:杉本哲太
会社員。母が認知症になってから、帰宅時間が遅い。家族関係がギクシャクしている。
自転車を必死にこぐ姿が印象的。
前原八重子:西田尚美
昭夫の妻。
息子のことになるとヒステリックになる姿が実にリアル。日常生活を見ているようで、他人事ではない恐怖を覚えた。
[内容]
前原昭夫は家に帰りたくないために、金曜日の夜だが残業をしていた。妻 八重子から電話があり、仕事を切り上げて帰ると、家の庭には見知らぬ少女の死体があった。息子の直巳が殺してしまったと聞かされ、警察へ連絡を入れようとするが、八重子は反対。死体を捨てるよう命じる。昭夫は少し離れたイチョウ公園に死体を遺棄することを決める。人気がなくなってから、自転車で死体を運んでいく昭夫。
明け方に遺体が発見され、加賀は聞き込みのために前原家を訪問していた。不審な点を感じて、加賀は前原家を重点的に調べ始める。松宮とコンビを組んで、遺体発見現場の捜査、前原家への聞き込みを繰り返していく。
昭夫は容疑をかけられる前に、認知症の母がやったと自供することに決め、家族一体となって嘘の証言をする準備をしていた。そして加賀、松宮の聞き込みが再度来る前に警察に連絡を入れて、認知症の母に代わって自供する。しかし、加賀はその自供を嘘と見破り、真実を聞き出すのだった。
[感想]
加賀恭一郎シリーズのドラマスペシャル。
・日本社会の現実を代弁しているように見えた八重子
仕事ばかりして家のことに全く興味を示さないじゃない!と八重子は昭夫に怒りをぶつける。昭夫の母が認知症になった時に、昭夫の妹 春美との会話で、毎日世話をするのは私たちの方でしょ?と相手に反論させない様子など、八重子の発言はいろんなところでリアリティ満点。そしてそれは、日本社会の現実なのかもしれないと感じさせる。
男は会社で仕事をしていればいいと思っている、そう勘違いしていませんか、と問われている。介護についても妻がしたらいいと思っている、そう勘違いしていませんか、と投げかけられている。そう言った設定が、とても印象的だった。
・加賀が真実に近づいていく過程を楽しむ
加賀がじっくりと現場を見ていく。それぞれの動きの中に、気になった箇所が見える。
最初の印象的な場面は、昭夫の母 政恵が軍手を加賀の前に突き出してきた時の表情の変化。そこに異臭を感じたのがはっきりと分かる。その時点できっと加賀はそれが尿の臭いだったと感じたのだろうと思わせる。そして前原家には何かあると感じているのがはっきりとする。
次には自転車の泥。そこから死体を自転車で運んだことを見抜く。
そして一番印象的だったのが、2階の天井に貼られたポスターに気付いていて、昭夫と話をする時にスパプリについて、質問をした場面。あの観察力には驚き。そして演技をしようとしている昭夫にしてみたら、予想外の質問に冷や汗をかいたことだと思う。嘘を突き通せないのではないかって不安を感じる一瞬だったのだと思う。そう言った積み重ねが、最後の場面につながったのだと感じさせる流れだった。
・一般の住宅街での出来事
前原家が長閑な住宅街の一画にあると言う設定が、八重子の発言とリンクして現実味を持たせる。ドラマだけれど、現実にも起こるかもしれないと言う恐怖を覚える。どこにでもありそうな家の中の様子、住宅街、そして死体遺棄された公園など、どれもが身近の風景とも感じられるのだから恐ろしい。
身近な生活の中に潜む恐怖が具現化されたドラマ。しかし単にありそうな事件ではなく、最後には予想外のひねりが待っていて、最後まで予測不能な作品だった。
鑑賞日:2021年8月16日
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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