こんにちは、Dancing Shigekoです!
10月にしては暑い1日だった。
今回は国内ドラマ『秘密』 第8話を紹介します!
前作の感想はこちら→第7話
続き見たい度:良 (ランクの定義はこちら)
[内容]
平介と藻奈美はその後、ほとんど口をきかずに生活を送っていた。月日が流れ、平介は藻奈美が自殺をするのかもしれないと不安に駆られる。学校の屋上にいると聞いて、急いで向かう。藻奈美はどうしたらいいのか分からないのだと、途方にくれていたのだった。
さらに月日が流れ、秋になった。ある時、沢田美香子から連絡がある。甥の文也の就職の付き添いで東京に来ているという。そこで梶谷の話を聞かされる。文也は本当の息子ではなかったにもかかわらず、父親を演じ続けていたのだと知る。
偶然にも平介の勤める会社に文也は就職していた。そして文也と話をした平介は、自分が今何をしたらいいのかを悟る。帰宅して、藻奈美に娘として声をかけるのだった。
その翌日、いつもと様子が違う藻奈美は事故のことを一切知らない、本当の藻奈美になっていた。
[感想]
平介の嫉妬生活から、悟り生活へと移っていく一話。
・平介の気持ちが大きく揺らいでいく
藻奈美を縛り付ける発言をしてから1ヶ月が経過した場面から始まる。その間、平介と藻奈美の間ではほとんど会話がない状態が続く。平介は言い過ぎたと反省しているのか、明るく振る舞おうとしている。しかし、藻奈美が反応しない。その反応のなさに、不安が広がる。自分に対する憎しみが芽生えていないか、あるいは藻奈美が自らの命を断つ様なことがあるのではないか。
平介の不安があまりにも大きくなりすぎ、さらに藻奈美が読んでいる本が自殺を仄めかすものだったため、ますます不安が膨らんでいく。仕事から帰って家に帰っても、藻奈美がいないのをみて、いよいよ最悪の事態と思って必死に連絡を取ろうとする。その辺りの心境はかなりずしっとしていた。藻奈美と連絡が取れて、顔がくしゃくしゃになるまで涙を流している。その様子が痛々しい。平介も藻奈美同様に苦しみがあるのが伝わってくる。
そんな前半から、藻奈美と体の方の関係を持つことで、心身ともに直子と結ばれ直そうとするものの、割り切れず踏みとどまる平介。そこから月日が半年くらい流れていく。そして沢田美香子、梶谷文也と話して、公園のブランコで座って考えを整理していると理解する。一気に流れていく、それまでの藻奈美の表情の一つ一つを思い出して、そうかという表情になる。心の整理ができた感じが伝わってくる。その変化を見事に藻奈美にぶつける。これからは、藻奈美として接するぞ、というのがはっきりと分かる声の掛け方を藻奈美にする。その感情の伝え方が上手と感じる。
前作までの暴走する平介から一転、不安に駆られ(のはこれまでも一緒かもしれないけれど)、考えを整理して、藻奈美と向き合うことに決める。その変化に一安心の展開だった。
・梶谷が大きく取り上げられる
沢田が現れて、さらに梶谷文也とも話をする機会があった平介。今回はそこから梶谷の人物像が描かれる。文也とたくさん遊んでいた様子、出て行った理由は妻の方が騙していたから。父親を演じ続けられる自信がなくなったからという。その辺りのエピソードを語ることで、徐々に梶谷の存在が、一つの人生を送っていたのだと見せていく。ただ事故を起こしたのではなく、そこには、それなりに背負う思いがあったのを感じさせる。仕方なかったとは言えないにしても、平介の言葉を借りるなら「血の通った人間だと知ることができた」というところ。こうして亡くなっていった人物、しかも事故を起こした人物の過去にも意味づけをしていく見せ方が、東野圭吾作品は上手だと感じる。
・公園のブランコで考え事
今回の注目場面はなんと言っても平介が公園のブランコで考えを巡らせている様子。サラリーマンで考え事に耽る時の定番?ではあるのだけれど、実際のところは、ブランコに腰をかけるだろうか、とツッコミを入れたくなる。そこは素直にベンチで良いのではないのか。それとも考えがまとまらない時に少しばかりブランコを揺らして気持ちを落ち着かせようとしていたという設定なのだろうか。
そしてそのブランコは、藻奈美と相馬が一緒に会っていた公園と同じ場所なのかと疑問も沸いた。
藻奈美の無表情が苦悶を表し続け、そこから開放されるのを感じる1話だった。
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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