国内ドラマ『永遠の0』戦時を駆け抜けた宮部
- Dancing Shigeko
- 2021年12月8日
- 読了時間: 4分
こんにちは、Dancing Shigekoです!
久しぶり雨の中の出勤でした。
さて、今回は国内ドラマ『永遠の0』を紹介します!
[基本情報]
原作:百田尚輝
脚本:櫻井武晴
監督:佐々木章光
プロデューサー:岡部紳二 / 阿部真士 / 佐々木章光 / 森一弘 / 近見哲平 / 石田義一
制作:テレビ東京 / テレパック
[登場人物]
宮部久蔵:向井理
大日本帝国海軍 零戦搭乗員。敏腕で人一倍生きることに拘った。
佐伯慶子:広末涼子
宮部の孫。6年前に宮部の存在を知る。新聞社で働く。
佐伯健太郎:桐谷健太
宮部の孫。姉 慶子と異なり無職。司法試験を受けることを断念してしまっている。
宮部松乃:多部未華子
宮部の妻。結婚して1週間しか一緒に生活していない。
大石賢一郎:中村蒼(戦時中) / 伊東四郎(現代)
慶子と健太郎の祖父。血は繋がっていない。
[内容]
佐伯慶子は戦後60年を記念して特集を書くことになった。そこで、実の祖父 宮部久蔵について調べることにした。慶子は弟の健太郎とともに、戦友会経由で調べ上げた宮部を知る人物に一人ずつ会って話を聞いていく。
二人は最初は”臆病者”、”卑怯者”という印象を受けるが、徐々に違った印象を持つようになっていくのだった。
[感想]
宮部久蔵の人物像を追うことで戦争について考えさせられる全3話。
・宮部が立ち向かっていたのは戦争の存在
国同士の戦い。たとえ国民一人一人がそれが間違っていると感じても戦わざるを得ない状況に追い込まれた時、その大きな力に抗うことは並大抵のことではできない。そこを宮部は家族に会うという約束を果たすためになんとかして生き延びようとする。
そこには、戦争をしたからといって、戦争に出ていったものたちが悪ではないのだというメッセージにも見える。だからと言って、戦争を起こした責任が誰にあるかを問いたいわけでもなさそう。純粋に戦争とは、個人の意思に関係なしに戦わないといけないもので、特攻を命じられて、実際に命を落としたからと言って、喜んで国のために命を捧げたのではないのだという事実。恐怖が一切なかったわけではないという事実を訴えてきていたように思う。
そういう意味では、高山と武田の意見のぶつけ合いが著者の言いたかった場面にも感じた。
それとは別に戦争の中でも、決して生き残ることを諦めずに戦っていた人物もいたのだと様子から、何事にも、それが例え強大な力だったとしても、信念を持って諦めずに挑戦せよというメッセージにも思えた。健太郎が司法試験に再度挑戦しようと思ったとか、慶子が藤木さんにぶつかってみることにしたというあたりにその思いが描かれていたように思う。
・皆の記憶に残る宮部
何人かの話を通じて、徐々に戦時の宮部の様子が描かれていく。そしてとうとう最期の特攻までの内容が思い出されていく。
60年以上の月日が流れて、当時の様子を思い出す生き残った人たち。そんなにも人々の記憶に残る宮部久蔵という人物。中には臆病者というものいる、中には卑怯者というものもいる。中には殺してやりたかったというものもいる。
そこまでに憎まれ恨まれる人物。一方で、宮部のためなら死ねると言い残したものもいる。なんとしても宮部を生かさないといけないというものもいる。この両極端から描き出される宮部久蔵。命を大事にしようとした生き方。約束を守るために生き延びることを考えた姿。その姿にはただ畏敬の念を抱く。
自分は将来、こうして語られるだけの人物になっているだろうか。
・前線基地の数々
ラバウルや鹿屋基地、筑波の訓練施設。周りには何もないところに零戦が並んでいる。そして空へと飛び立っていく。その中の鹿屋基地は今では自衛隊の基地になっているとか。さらにその近くには、特攻に行った搭乗員たちなどに関する資料館があるという。もし実在するのならば、一度は行ってみたいと思う。戦争を知ることは、これからの人生に影響を与えてくれると感じた。
・一番印象に残った場面は…
宮部が特攻の前に、零戦の異常に気づく。それで大石に生きる道を譲る決心をして、零戦を入れ替わってもらうことを相談に行く。しかし大石に断られ、宮部は元の零戦に戻っていく。そこで乗り続けたら、宮部は生き残ることができた。ところが、大石が命を救ってくれたこと、自分よりも若い子たちが命を落としているという現実に大石に命を託す決心をする。涙ながらに大石への手紙を、松乃と清子の映った写真の裏に書き綴っていく。その様子は、それまで生きることに固執してきた宮部が死を覚悟した瞬間。あまりにも重たい、そして悲しい結末。できることなら生きてほしかった、そう思わせた。
戦争という悲しい出来事の中を生きた人がいる。そこにも数奇な人生があったと感じる作品。
[各話感想]
第1話:祖父 宮部久蔵の半生を探る
皆様の感想もぜひお聞かせください!
それでは、また次回!
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